ワタリウム美術館と原美術館

2020年の1月はなんだか寒さがゆるやかに感じられます。
どうなんでしょう、毎年こんなもんだったのかしら。
皆様の地域はいかがですか。北国からは今年は雪が少なくて、なんていう話もぽちぽちと聞こえてきておりますが、それも地域差がありそうですね。

ここ最近はバタバタと今年の我が家の計画をスタートさせたり打ち合わせをしたり、
そんな中で急遽海外出張が決まってしまったり、
去年の秋にケアに力を入れている歯医者さんをみつけ、まるで趣味かのようにメンテナンスにちまちまと通ってみたりしながら、
美術館展示も何箇所か行ってきております。

原美術館は品川にあるとても雰囲気のよい美術館で、私の大好きな場所の1つなのですが、
近い将来に閉館することが決まっています。理由は老朽化なので仕方のないことかもしれませんが、長く時を経て使われてきた建物はとても味があって、そこで現代美術をのんびり鑑賞できるという贅沢な環境が素晴らしい美術館なのです。
この三連休までは今、とても勢いのある現代アーティスト、加藤泉さんの個展が開催されていました。
原美術館は群馬にもハラミュージアムアークという広大な敷地に建つ美術館があり、そちらでも同時開催の個展です。

加藤泉さんの作品はこれまでにあちこちのグループ展やアートフェアなどで拝見したのみで個展として観るのは初めてでしたが、とても素晴らしい展示空間に仕上がっていました。
原美術館は特に、もともと個人の邸宅だったところを利用しているため、部屋と廊下、お庭という場所に作品を並べるわけですが、空間と作品とのバランスがとても心地よく、全ての要素がリズミカルに共鳴するかのような展示だったなと感じます。







作品にはそれぞれ適切なサイズ、必要な大きさというものが存在するような気がしている今日この頃。その適切度合いがぴったり来ている作品は、観ていてすごく居心地が良いのです。加藤泉さんの作品には、大きなペインティングから小さな立体作品まで様々な表現方法がありますが、どれも同じくらいの強さのエネルギーを放っています。小さい作品でも強いし、大きい作品はそれに必要なサイズを与えられているのだと感じるのです。展覧会カタログに掲載されたインタビュー記事を読むと同じような話題に触れられていて、なるほど納得でした。
どの作品をどんな風に展示して見せていくのか、決定する時の指揮をとるのは展示ごとで異なります。キュレーターが主な指示を出すこともあれば、アーティスト本人が決めていくこともある。もちろんキュレーターとアーティストが相談しながら同等な話し合いで決めていく場合もあります。加藤泉さんはご本人が展示方法を決めることが多いようで、1つの作品を展示空間に置いてみてから、いろいろと決めていくとい話もインタビュー記事に掲載されていました。だからこそ成立したセンスの良い、心地よい空間づくりだったのでしょう。
展示そものも魅力的でしたし展示空間づくりも美しく、壁に印字された今回の展示のためのステートメントもすばらしく、総合的に勉強にもなった良い展覧会でした。










ここに来るといつも観る奈良美智さんや宮島達男さんの大好きな常設作品もじっくり堪能。これらの作品たちに会えるのはあと何回あるかなあと思うとほんのりと寂しさも募りました。またすぐ、行っちゃうと思うけれど。なにせ次回展覧会は好きな作家さんの一人森村泰昌さんです。うふ。楽しみです。


もう1つ、立ち寄ったのはワタリウム美術館。ここも建築が特徴的でフロアごとにコンパクトに構成しながら上へ上へと展示を観ていく縦長な空間です。毎回面白い現代美術の展示が行なわれており、今回も期待通りの面白さでした。
現在の展示は

フィリップ・パレーノ展
http://www.watarium.co.jp/





(↑この写真だけ何回アップしても横向きになってしまう・・・グレーの風船があるのが天井です)


光や音を発する作品が点在する空間なのですが、ランダムに光ったり鳴ったりしているかに見える作品たちの反応は、実は美術館の外の気圧や風などの環境によって引き起こされています。具体的にどのようなプログラミングなのかまではわかりませんが、今現在の環境を作品に取り込むように計算されており、作品同士の反応も影響を受け会うようになっているとか。つまり、日々違った音や光の反応が楽しめるということなのです。







美術館の展示空間というのはいつも、外界と遮断され、温湿度管理がなされている場合が多いです。それは作品の保護の観点からのことでもあり、雨の日も雪の日もカピカピに乾燥した晴れの日も、なるべく一定の環境になるように、コントロールとそのチェックが
行われています。
フィリップ・パレーノのこれらの作品は、その一定に保たれる美術展示室に向けて
目から鱗のような感覚をもたらしてくれました。
一定に保たれた空間を否定的に捉えているわけではないのだと思うので、これらを「疑問を投げかける」と言ってしまうと少し言い過ぎかなという感じもあります。
ただ、私たちは、雨の中を美術館まで来たかもしれないし、外はどんよりとした曇り空だったかもしれない、もしくはキラキラのお出かけ日和の晴れだったかもしれないし、風の強い日だったかもしれない。そんな中、いまここで、展示を見ている。
フィリップ・パレーノの作品を通して、私は今日ここに生きているのだということを、改めて気づかされました。
彼の作品は、今に気がつくことを視覚化したり聞こえるものに変換したりしているような気がして、じっくりと時間をかけて作品と向き合いたくなる展示でした。








ということで
最近みたおススメ展覧会の紹介でした。

さて
海外出張の準備をせねばならぬ。

今回は観光はほとんどできないなあ。

ひたすらギャラリーを周ったり、新しく面白いことに挑戦している人たちに会いに行ったり、主人がお世話になっている方々に say halloしに行ったり、
限られた日程でどこまで回りきれるのか、綿密に計画中です。
主人が今回どうしてもいけないので、その代理。
一人っきりで見ず知らずの国外アウェイに放り込まれます。普段とはお留守番組と出発組(組って言ってもひとりきりだが)が逆転です。

次回は出張レポートもします。お楽しみに〜。

英文はインスタの方にアップしたよー(という理由で今回やすみ。えへ)

コメント

新年から、いろいろとお忙しい感じですね。でも、それは、ある意味、とっても良いことだと思います。
そして、沢山の人に会って、いろいろな会話ができるといいですね。また、お土産話、というより、現地レポになるのでしょうか(笑)、楽しみにしていますね。

みーまる 2020年01月13日

プラネタリウム好きです

Kyo 2020年01月13日

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