エルメス「眠らない手」展

銀座のエルメスのお店には上のフロアにアート展示を行うスペースがあり、年間を通して様々な企画が催されています。

この冬に開催されていたのは、エルメスの様々な職人さんたちとともに滞在制作をしたアーティストたちによる成果発表。

2期に渡り行われた今回の展示では、まずエルメスにそんなアーティストとともに行うプログラムがあったということを知り、
伝統的な職人技と現代アーティストのコラボレーションから出てきたまったく新しい形に刺激を受けました。

日本でも最近は様々な場所、プログラムで、滞在制作が行われています。
アーティスト・イン・レジデンスという言葉でも広まってきています。

滞在制作ではそれまでの制作の中だけでは関わることのなかったであろう新しい出会いがきっかけとなり、思いもよらない作品が生まれたり、新たな発見があったりすることでしょう。

このアーティスト・イン・レジデンス、滞在制作は受け入れ先によっても大きな違いがあるようで、全てのアーティストにとって滞在制作をすることが非常に効果的なのかと言われれば、少し疑問は残ると私は感じています。

例えばレジデンスによってはそこまでの往復交通費をだしてもらえ、もちろん住む場所も用意してもらえたり、制作にかかる費用をレジデンス側が出してくれたりすることもあるようで、全て自分で賄うとなると交通費、滞在費、制作費、その間の収入のあて、などなど多くの費用の問題があることも事実ですので、大変有り難い制度であるとは思います。

ただメリットが大きいアーティストもやはり確実にいて、例えけ私が好きな画家・壁画家・現代美術家の岡田杏里さん( http://anriokada.wixsite.com/anri-okada ) は彼女の作品にとってとても重要な滞在制作をしていると思うし、版画家の田中彰さん ( http://www.tanakasho.com/ )もその土地や人々や木々、生き物や空気などの自然に深く関わりながら、そこで受け止めたものから作品を生み出す作家さんなので、様々な土地へ行くこと自体が非常に大切な意味を持っていると言えます。

彼らは自然体のままで新しい土地に自らを放り込み、全身でその場を受け止め、そこからニョキニョキと作品が産まれ出てくるタイプです。

他にも、池田学さん ( http://mizuma-art.co.jp/artists/ikeda_manabu/ )の個展を観に金沢に行った時に、海外での滞在制作についても触れたインタビュームービーが流されていて、そこでは「オープンスタジオ」があることの重要性を感じました。
オープンスタジオというのは、滞在制作期間中に、特定の日であれば一般の方もスタジオの中に入って見学をし、アーティストに対して自由に質問ができるというもの。
英語での鋭い質問の数々によって、さらに自分自身を見つめなおすことになるという、いわば修行のような場です。

そういうことが起こるという意味でも、滞在制作には滞在制作でしか得られないものがたくさんあることでしょう。
知らない国に行ってみたいけどなかなか一歩を踏み出せないという人にとっても、滞在制作をすることになる(申し込みをしたり)ということが、背中を押してくれるかもしれないですね。

さらに例えば今回の展示にあったような場合、エルメスの職人さんともなると、一緒に物作りをする機会はアーティストと言えどもなかなか得られないことでしょう。


少し話は飛ぶかもしれませんが、天皇陛下のお誕生日の御言葉の中にも、移民についての御言葉がありました。(この会見は多くの人々の胸を打つ切実な、熱いお声だったと感じましたし、私自身も涙が出そうな気持ちになりながら天皇陛下のこれまでの深い想いを感じました。)
移民、とまではいかなくとも、これから先はもっとたくさんの海外アーティストが日本で滞在制作をする時代になるかもしれないし、日本の滞在制作先で様々な国籍や人種のアーティストが入り混じっている様子が当たり前のようになる時代が来るかもしれません。
もちろん日本人アーティストが海外で作品を発表したり拠点を日本以外に定めることも今後も増えていくことでしょう。

めまぐるしく変わる今の時代とともに、もしかしたら今後、滞在制作、アーティスト・イン・レジデンスも変わっていくかもしれませんね。


ちなみに湘南エリアでは
藤沢市の辻堂駅からすぐのところにある「藤沢市アートスペース」にて、現在この滞在制作がまさに行われているようです。
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS/

そういえばここで展示をしていた毛利悠子さんは今は私の大好きな美術館のうちの一つでもある十和田市現代美術館で世界初個展を開催しています。
http://towadaartcenter.com/exhibitions/assume-that-there-...

富士山と夕焼けが綺麗にみえる辻堂の展示室から、現代アーティストとして美術館での個展へ、羽ばたいていらっしゃいます。

実は意外にも自分の住むエリアのすぐ近くでも、滞在制作は行われているのかも?!
都心だけではなく、緑豊かな大自然のあるような場所でも開催されていたりします。

ご興味のある方は調べてみてください。
アーティストと直接話ができると、さらに面白いですよ💕✨










I went to "LES MAINS SANS SOMMEIL" by FONDATION D'ENTREPRISE HERMÈS at HERMÈS Ginza(Tokyo, Japan).

"Artist In Residence" is an interesting and helpful system for many artists.
In this exhibition, many artists presented their
works made in HERMÈS’s studios with their Mentors and artisans in the studio.
I loved Clarissa Baumann's works and Jennifer Vinegar Avery's performance.

Artist In Residence has been knowing in Japan too
in recent years.
My favorite artists apply the system like HERMÈS.
For example, Anri Okada (http://anriokada.wixsite.com/anri-okada) is now painting
the COW at some calm village in Japan. And Sho Tanaka (http://www.tanakasho.com/) is picking coffee beans in Phillippins!(of course it is very important action for his art works.)
Both of them who are my favorite artists are tring their art and life.
Artists may be able to talk with many people in front of their new works. The residence where you stay and work may have some days for Open Studio. I knew about.Open Studio by Manabu Ikeda's solo exhibition at Kanazawa.
It will be a good experience for artist that many people are harried with questions for their works and artists' considerations.

I'm digress, but today was the birthday of His Majesty the Emperor in Japan. And we saw the precious words on TV.
By these many importand words, I thought about immigrants and emigrants.

Artist In Residence in Japan may be change to international place by many artists from many countries.

In Japan, many local self-governing body already put the system not only big city but also small town.
If you search this, you may find some Residence near your home.













コメント

いつも素晴らしい視点でみらえてますね

Kyo 2018年12月24日

まりさんは、アーティストの奥さんなので、今日のお話は、全くご自身の生活にも係わっているようなことではないかと思い、読ませてもらいました。。。

みーまる 2018年12月23日

不適切なコメントを通報する

最新ブログ

感謝の気持ち
目に見える変化と見えない変化
紙コップを考える
プラスチックフリーを意識した暮らし