神戸の美術館は今年は何かと来るチャンスに恵まれた年。
自分自身が音声ガイドを担当した「遥かなるルネサンス」展の西日本での会場も神戸市立博物館でした。
この時期の神戸市立博物館は「ボストン美術館の至宝」展。この巡回展は私は東京で観ていたので今回は寄らず、ですが、建物の雰囲気がとても素敵なので、ボストン美術館の展示も素晴らしいことと思います。
西日本の方はぜひ。
神戸市立博物館
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/mu...
さて
ということで今回の神戸で行ってきたのはこちら
「生誕150年記念 藤島武二」展
場所は
神戸市立小磯記念美術館です。
初めてきた場所でしたが、ここもとっても素敵❤️
中庭には小磯良平のアトリエも移築されていて、一部見学することができます。このアトリエがまた、すごく素敵で。こんな家いいなあ。
神戸市立小磯記念美術館
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/ko...
さてさて今回の特別展は
藤島武二
どこかの常設展などで、ほんの数枚だけ観たことがあった気がするのですが、こうやってまとめて観ていくのは初めて。
若い頃から晩年、絶筆の作品までが並び、
藤島の絵の変遷がとてもよくわかります。
最初の頃はやっぱり
黒田清輝っぽいなあ、とか。
でもそこからどんどん変わって行って
ヨーロッパにも行って
アジアにも行って
日本以外のいろんな場所を自分で観て感じながら
挑戦を繰り返していきます。
時代が時代だったので、なかなか思う存分自由に、というわけにもいかなかったのでしょうけれども、
その限られた範囲の中で、なんとか模索していこうという必死さが伝わってきました。
今回最も好きだったのは
《港の朝陽》(1943年/油彩、板/18.6×24.0cm/石橋財団ブリヂストン美術館所蔵)
藤島武二は1943年の3月19日に亡くなっていて、
この絵は絶筆となったもの。
実はこの絵、1934年に全く同じタイトルで
《港の朝陽》(1934年/油彩、カンヴァス/44.5×59.5cm/東京国立近代美術館所蔵)
で描いたものを最晩年に、藤島が、記憶を頼りに、小さな板に描きなおしたものだとか。
この元になった方の絵もとても素晴らしく、好きな作品だったのですが、
絶筆の方を見た瞬間に、他の作品の記憶が全部飛んでしまうほどの、力強く、安易な言葉でいえば感動する、
なんとも言えない素晴らしい気持ちにさせられました。
たくさんの作品を描き続けた藤島が
最後に、
こんな絵を描いたんだなあ、楽しかったなあ、いい時間だったなあ、
いろんな想いを思い出しながら、一筆一筆絵画人生を振り返っていたのかもしれないと想像せずにはいられません。
人生の最後にこんな絵が描ける生き方。
なんと満ち満ちた時間だったことでしょうか。
そんな人生を過ごせるようになりたいなあ。
日々、自分のやるべきことに邁進するのみ、ですね。
死ぬ前に、後悔なく全力で仕事したぞって思いたい。
頑張ります。
というわけで
アート鑑賞
2017年の95件目
11月の24件目
でした🖼
#神戸市
#神戸市立小磯記念美術館
#藤島武二
#小磯良平
#美術館
#絵画
#洋画
勢力的に美術館巡りしていますね。