「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信展」@千葉市美術館



まーみるさん
コメントありがとうございます😊
わーんこわい!振り返れなくなるぅ😭😆
日本では怖いもの、いわゆる怪談やそれにまつわる絵なども夏の風物詩ですが、「怖い絵」の方は秋冬のイメージです。なんでかしら。
作品、飾りたいなあって思います。でもほんと、たまにすごいので明らかに家より大きいですが、、なんてのもあったりしますよね。そういうのは美術館でみたほうが、ちゃんと見られるのかなあ。保存も美術館のほうがしっかりできますね。


さて







江戸の錦絵が誕生した話しに
この方の存在は欠かせない

鈴木春信


千葉市美術館で開催中の

「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信展」

に行ってきました。


鈴木春信に気を取られていましたが

はっ!!ボストン美術館じゃないですか!!


これについてはまた後日書きますが
さすがボストン美術館。
ものすごい数の鈴木春信作品が、日本で、一堂に展示されるという素晴らしい企画展です。

今回は鈴木春信の作品と、
春信が登場する少し前の時代や、同時代の絵師の作品も並びます。

そこに千葉市美術館が所蔵している9点の鈴木春信作品も参考出品として並べられ
ここまで揃うのは、なかなか無いのではないかという豪華さです。


多色刷りの木版画である錦絵。
その前は、赤と緑の色が出てくる紅摺絵というものがあった時代。

錦絵が美しいのはもちろんでしてが、
この紅摺絵も、繊細で、はかない表現で、とても素敵でした。

面白かったのは
鳥居清広の紅摺絵《夜の庭》
一枚の作品なのですが絵の中央の上の部分に黒く短い線が入っているんです。
これはここの線からまっすぐに絵を切断すると、2枚に分けて絵を楽しめますよ、お好みで切っても切らなくてもどちらでもどうぞ、というものなのだとか。

現代の私たちの考えだと、なんでわざわざ2枚に切るの?と思ってしまいそうですが、
実は屏風絵や掛け軸などでは
2つの絵がセットになったもの、2幅対というものがあるんです。

この摺物の絵を2枚に切ることで
あたかも屏風絵や掛け軸のように、
2幅対の作品の味わいも楽しめる、という趣向。

もちろん、切り離しても、切り離さなくても、
どちらも魅力的に見えるように描いているのは
さすがは絵師の凄腕といったところでしょう。

ちなみに紅摺絵の話では、鈴木春信の紅摺絵で作られた役者絵というのは約30点ほどしか存在が確認されておらず、しかもそれぞれ1枚ずつしか見つかっていないのだとか!
激レアです。こちらもお見逃しなく。




さて


毎度恒例
お気に入り作品の発表に行きたいと思います。


まずは
鈴木春信の《夕立》
(明和2年絵暦/中判摺物/ボストン美術館所蔵)


急に降り始めた夕立
風もある中、あわてて洗濯物を取り込もうとしている女性の様子が描かれています。
全身の動きが軽やかに表現されていて、この場に居合わせて、窓越しにでも、この絵の夕立の様子を目撃したような気持ちになります。
臨場感あふれる、素敵な作品です。





続いて
鈴木春信の
《鷺娘》
(明和3-4年頃/中判錦絵/ボストン美術館所蔵)


錦絵、なのですが、カラフルさよりも一面の白がとても印象的。
歌舞伎の演目としても有名な「鷺娘」の一場面です。雪の中、高い下駄を履いて佇む様子がとても上品に表現されています。

「きめ出し」と言われる絵を縁取るようにして紙に押し型がついている技法が効果的に用いられていたり、空摺といわれる細かい模様を紙に押し型のように付けられる技法で鷺娘の着物の柄を描いていたりと、
見れば見る程繊細で、品のいい香りがする作品です。
これはなかなか、写真、図版ではわからないもの。実物をじっくりと眺めて味わってこそだなと思います。




そして最後も
鈴木春信の
《女三宮と猫》
(明和4-5年頃/中判錦絵/ボストン美術館所蔵)

かの有名な源氏物語のワンシーンです。
錦絵の色合いの美しさ、
女三宮の表情や猫の表現が素晴らしく、
こちらも家に飾りたいなあと思うくらい好きになった作品でした。



鈴木春信の女性の表情は
ふっくらとした頬の柔らかさや
優しい眼差しを感じさせる独特の表情が描かれているものが多く、
このお顔の表現がたまらなく魅力的です。

展示を観に行かれる方は、描かれている人物の表情なども、細かく見比べてみると、楽しいかなと思います。




さて今回はこの鈴木春信の特別展と同時に
千葉市美術館の所蔵作品展も開催。

やはり千葉市美術館、すごい。
いい作品をたくさんお持ちなんです。
気になった作品をいくつか書きます。



曾我蕭白の屏風絵
《獅子虎図》
(宝暦頃/紙本墨画/2曲1双/千葉市美術館所蔵)
は、ここ最近見た曾我蕭白の作品の中では一番好きなものだったかも。


派手派手ギラギラに鳥を描いている印象が強い伊藤若冲は
《鸚鵡図》
(宝暦後期〜明和期頃/絹本着色/1幅/千葉市美術館所蔵)
では華やかさは失わずに、比較的静かな様子で白いオウムを描いています。
オウムを描く時、あえて白の絵の具を紙の色が透けるほどうっすらとのせていて、
それが当時の人にとって大型の白いオウムが珍しく特別なものに感じられていたことや、オウムのふわふわとした羽の質感などを表現したかのようにも見えてきます。



3つめは、
小村雪岱の本の装丁の展示
《尾崎久彌[著]『洒落本集成第三巻》
(昭和5年刊/春陽堂/書籍1冊/個人蔵)

牛を連れた男と、機織りをする女が描かれているので牽牛と織女の物語のワンシーンでしょうか。
本を手に取る所作も思わず優雅になりそうな、素敵な絵が描かれていました。


最後は現代アートでありながら
今回の展示にぴったりとしたもの。

小川信治の《鞠と男女1》《鞠と男女2》
(2016年製作/カンヴァスに油彩/千葉市美術館所蔵)
昨年度の新収蔵作品だそうです。

この「鞠と男女」というのは
全く同名の作品が鈴木春信の作品としてあり、
その絵をもとに作られた2つに分かれた作品。
まさに、1枚の絵を2幅対にした、というような形式で《鞠と男女1》《鞠と男女2》となっているのです。

油絵なので色の雰囲気も錦絵とは異なってきますが、
ただの真似事で2枚のカンヴァス絵にしただけではなく、新たに油彩として生まれ変わったという雰囲気。
これだけ同じ絵を描いておきながら、チープな真似事にならないというのは、本当に凄いことだと思います。
小川信治さん、他の作品も観てみたくなり、調べたらなんと!去年千葉市美術館でこんなすごい個展をされていたんですね


http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2016/0907_2/0907_2....



うわー見逃してるよお


がっくり



MAHO KUBOTA GALLERYの取り扱い作家のようです。

https://www.mahokubota.com/ja/artists/shinji-ogawa/biogra...



小川信治さん公式サイト
http://shinjiogawa.com/index.html

次の個展にも注目したいと思います。
https://www.mahokubota.com/ja/exhibitions/1284/





というわけで
千葉市美術館、さすが。
企画展から所蔵作品展まで
どこまでも堪能させてくれます。素晴らしい!!


浮世絵の展示は比較的展示期間が短く
あっという間に終わって見逃した!なんてことになりがちなので、行くことができて良かった!
つい先日はじまったばかりと思っていたら
鈴木春信展は10月23日まで。あぶないあぶない。
行きたい方はお早めに😆💕







展示が終わってから正面玄関写真でも撮ればいっか、と思っていたら
真っ暗でしたのねー




日が暮れるのが
すっかり早くなりましたとさ。


お土産にハガキとノートを購入。


ハガキはまた秋田の祖母に出す用に選んでみました。
ちなみに前回の、「怖い絵」展でも祖母に送るための絵葉書を選ぼうかなと思ったのですが、
どれもこれもすごい迫力で、いきなりこの絵葉書が届いたら、何事か?!とおばあちゃん、ビックリしちゃうなあと思って購入を断念してたのでした😅


あ、記念撮影コーナーもあったよ!
撮影可能なこういう記念撮影パネル、最近の企画展の定番になりつつあるように思います。


パネル近くに那須与一なりきりグッズもあり。
さすがに女ひとりでやる勇気はなし😅
お友達同士やご家族でお出掛けされる方は是非。






そんなこんなで





アート鑑賞
2017年の56件目
10月の2件目
でした。

コメント

海外に残っている、浮世絵のコレクションを、日本で見ることが出来るのは、本当に貴重な機会ですよね。また、千葉市美術館は言うまでもなく、実はボストン美術館にも行ったことがあるんですよ(^0^)。大学生の時に、アメリカで短期のホームスティをした時に、時間を作って見に行きました。展示もさることながら、建物も一見の価値がありました。もし、ボストン美術館にご興味があれば、ぜひHPでご確認を→と言いつつ、まりさんも既に行ったことがあったりして。。。(^0^)☆いつもお返事、ありがとうございます☆

ま-みる 2017年10月08日

まりさん❤︎
私も気になっていた美術展です^ ^✨
見応えありそうですね🎵
23日までに行けなかったら麻里さんにお話きかせてもらおう〜😊💕

 いしがみ ゆりえ 2017年10月08日

とても素敵な作品の数々ですね
那須与一なりきりセットはいいですね
楽しそうです。
今連休は長崎では「おくんち」という伝統的なお祭りを諏訪神社で開催中です。
蛇躍りやさまざまな山車が圧巻です。
昨日と同じく今日は夏日30度越えです

Kyo 2017年10月08日

いろんな芸術品を見に行けて羨ましい限りです
芸術の秋を堪能していますね

Kyo 2017年10月08日

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