又吉直樹さんの新しい小説
『劇場』(新潮社)
読み終えました。
心の中のもやもやした気持ちが
全部、文字になって表現されていて
ああ、こういう気持ち、まさにそう!
っていう、
どうしても捕まえられなかった雲を、ひょいっと捕まえて目の前に差し出されたような気持ちになりました。
劇作家で演出家の主人公
その彼女
心の中に不安が渦巻いたり
前向きになろうと自分を鼓舞したり
落ち込んだり
イライラしたり
すごく繊細な描写が愛おしくて
ゆっくり、一文ずつ噛み締めながら読みたくなる本でした。
ラストは泣けたっていう感想をちらほら聞いたのですが
わたしは泣けなかったなあ。
でも泣けないからと言って、良くない作品だというわけでは決してないと思うし、
むしろ、じわーっと、灰色の雲が胸の奥に
ぼてっと残って、
なかなか次の別の本を読もうと、気持ちを切り替えられなかったので、
それはそれで。
そういう作品って、滅多にない。
すごく良い作品に出会えてよかった☺
ちなみに表紙の装画は
現代アーティストの大竹伸朗さんの《路上1》という1990年の作品。
わたしは、大竹さんの作品はもっと目に刺さるようなカラフルでギラギラした作品ばかりをみていたので、意外でしたが
こんな感じの作品群もまた展示があれば観たいなあと思いました。
ということで
2017年の33冊目
5月の3冊目
でした📚
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