『うなドン 南の楽園にょろり旅』


今年は土用の丑の日が2回ありますね。
1回目は7月にありましたが
2回目は8月。もうすぐです。

このタイミングで
偶然にも気になって読み始めたのが
うなぎの本。

『うなドン 南の楽園にょろり旅』(講談社)
青山潤さんのエッセイです。

青山さんはうなぎ研究のエキスパート。
以前、ニュースでも盛り上がった
うなぎの産卵場所ほぼ特定という
あの東大の研究室の方です。

世界中でうなぎを追い求め研究を続ける
東大の塚本研究室のメンバー。

青山さんと
塚本先生、
そして研究者の渡邊俊さん。

彼ら3人で調査にいったタヒチの章は
本当にドラマチックで手に汗にぎり、
たくさん笑い、ひきこまれました。

社会人になってから
改めて大学院に入り直し、
東京大学の大学院で博士号を目指して勉強することになった青山さん。

青年海外協力隊員としてボリビアでの経験があった青山さんですが、
学術研究の世界では経験がゼロからのスタート。

けれど、青山さんが
自分が経験してきた、他の人には真似できないようなことを
これから踏み出す新しい世界でも、強みに変えて飛び出してく様子には
本当に勇気をもらいました。

出来ない事を反省することも大切なことですが
出来ない事ばっかり見ていても、前に進めないこともあるんですよね。

得意を伸ばすところから
新しい道が開けて行くこともいっぱいある。


「俺は、日本でみんなと同じ事やってたらあかんのです。ちっちゃな俺が勝ち残るためには、高い所から全力で飛び上がるしかないんです」

そう思って飛び出して行った青山さんは
少しずつ、言葉も通じないような国で現地の人が誰も興味を持っていないようなウナギを探し求め、突き進んで行きます。

「もしかしたら、私でも高く跳ぶことができるかもしれません。なぜなら、私は私だけの「高いところ」を見つけたからです。」


以前読んだ、日本人宇宙飛行士の若田光一さんの本
『オンリーワン―ずっと宇宙に行きたかった』(新潮社)
も思い出しました。


青山さんは
世界中にいる、うなぎ研究者の一人ですが
間違いなく、オンリーワンでしょう。

青山さんほど
あとから振り返ればいろんな意味でサバイバルな環境で
調査研究を追求し続けられる人も、なかなかいないのではないでしょうか。
(どんな情熱で突き進んでいたのかは本文でお楽しみください~♪面白いです)

うなぎの調査に一緒にでかけていた渡邊俊さんの言葉で

「うちだって同じでしょ。そんなに格好いいもんじゃないですけど、ど根性系発狂寸前って感じですかね。俺と先生と青山さんなんか、三両編成暴走機関車って言われてますよ」

というのがあります。
もう3人でのとんでもない勢いの調査が終わった後の会話ですが、
まさに、その通り、と言う感じで。

うなぎに夢中なんです、みんな。
その姿がいかにも研究者っていう感じで、読んでいるこちらまで心が熱くなります。

「幸いなことに、私は、森から木を切り出し、美しくはないかもしれないが、それなりの作品を仕上げる機会に恵まれたと思っている。そして今、間違いなく言えることは、知力、体力、時の運、すべてを総動員して自然界の奥深く踏み込み、目的の標本を得たときの、魂が揺さぶられるようなあの感動を忘れられないということだ。」


研究と成果という連続の道のりは
本当に地道で、少しずつしか進まない物です。
時に、全く進んでいないようにみえたり、
逆に後もどりしちゃったような気がしたり。


「学術的には明らかに非効率的で、ほとんどが無駄な努力の積み重ねである。苦心して辿ってきた道の先に何もないとわかった時、「また犬死にだな……」そんな台詞をたびたび吐いている。それでも、まだ何かに惹かれるのである。」


何もなかったということも、大切な研究成果の一つではあるものの
やはり青山さんたちのように
発見することにより大きな進展がある研究だと
見つからなかった時は…疲労感とともに心までへにゃっとしてしまいそうになるだろうなと想像します。

それでもやっぱり
また別の地にうなぎを探しに行くのは
うなぎに夢中だから。

何かに熱中している人の話って
面白いなあってつくづく感じます。

今年の土用の丑の日
二の丑の前に
この本を読む巡り合わせがあって良かった♪

コメント

オンリーワンを目指すことは、大変ながら大切ですよね。クローバー

今回の作者さんのように、偶然でも、それを見つける
ことが出来た方は、幸せだと思います。チューリップ

私も、ぜひ、自分のオンリーワンを見つけたいなぁ。。。☆

まるみる 2013年08月01日

う~ん冷や汗2

私に人より突き抜けた所が有るのかは、仕事をする中で自尊心をすり減らす毎日の中では判りませんが、私は核廃絶といった、世界中の人々を巻き込んだ、正に世界の理を一新するような大きなうねりを起こしたいとは願っています。
今は目的地まで余りにも遠すぎる為に
暗中模索といった段階ですね(泣)

先ずは足元アジアの非核化からですね

間も無く広島入りしますが良き出会いが有れば良いな否、引き寄せてやると思います。

炎の人 2013年08月01日

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