以前読んだ書籍の中で
内容や出来あがるまでのごく一部の話は知っていたものの、
実物を手に取ったのは、これが初めてのもの。
「文庫本葉書」
本に対する実験的活動から生まれたものです。
添付された説明によると、以下の通り。
「文庫本葉書」は、「ブックピックオーケストラ」のオリジナル商品です。
「文庫本葉書」は、ぱっとみると絵はがきと同じように、郵便番号の記入欄が並び、住所や文面を書くスペースがとられています。しかし、葉書とは違って中には私たちが選んだ文庫本が入っています。買うときには、中に入っている本が何かわかりませんが、裏面に、中に入っている本から引用した印象的な一節が書いてあります。
実際に商品を見るまでは
本の内容もタイトルも著者も分からないまま
購入する本を決めるなんて、難しそうだし、
どうなんだろう
と正直思っていた私。
ですが
実際に「文庫本葉書」が並んでいるのを見ると
すごくワクワクしたんです。
なんだろう、この感じ。
いろいろな一節が印刷されたパッケージ。
3~4行くらいに渡る長い文のこともあれば、
1行ちょいの短いものもあり。
本来は、葉書なので
誰かに郵送するのでしょうけれど
自分用に欲しくてたまらなくなり、
1冊購入しました。
自分に宛てて葉書を投函してみてもよかったのですが、
ワクワク感に堪え切れず
仕事の合間に立ち寄ったカフェで開封。
私が選んだパッケージには
こんな一節が印刷されていました。
「さびしさは痛切ではなく、花の香りのように仄かに漂っていて、見つめようとするとたちまち色褪せるのだった。」
なんだか
苦しいような重いような気もするけれど
なんだか
誰の心にもふらりと入って来るもののような
遠いような近いような一文で
気になって、これに決めたわけです。
中を
開けてみると
…
出てきたのは
『ニート』(角川書店)
絲山秋子さんの短篇集です。
そうか~そう来たか~
読んだことが無かった本でしたし、
もしかしたら、わりと重いテーマは得意じゃないなあなんて思ったりもするので
本棚に並んでいたら手に取らなかったかもなあという本。
でもあえて一節に魅かれて買ってみただけのことはあって
現在、移動中などに、ぐいぐいと読み進めています。
この一節だけから本を選んで出会うっていうシステム。
はまりそう。
作品に対するワクワク意外に、
いろんな楽しみが一緒にやって来る感じ。
次回こそは
自分宛てに郵送してみようかな。
本好きな友達にプレゼントっていうのも楽しそう。
面白いシステムですね。とっても感心しました。
本好きには、誠にたまりませんね。(笑)