第156回直木賞受賞作品
『蜜蜂と遠雷』(幻冬社)
恩田陸さんの小説
読み終えました。
この物語は
日本で開催された国際ピアノコンクールが舞台。
第6回芳ヶ江国際ピアノコンクールの
各国予選から日本での一次予選、二次予選、三次予選、そして本戦までを描き切った小説です。
驚いたのは
ピアニストたちの描写。
もちろんかなり取材されて書かれているのだとは思いますが
コンサートホールでピアノを演奏したことがある人、ピアノコンクールを受けたことがある人にしか描き切れないのではないか、というあたりまで、
細かく表現されているんです。
わたしは大学がピアノ科だったので
大学に入る前からピアノコンクールを何度か受けたことがあり、
国際コンクールは経験がありませんが国内の全国大会本選などの経験も何度かあるので
コンクールを受ける側の気持ちや、音大生の心理がそっくりそのままこの本の中にあって
いろんな記憶も一緒に呼び起こされました。
規定の中で自分の力を出し切らないといけないコンクール。
同じ曲を弾くことで、明らかにわかりやすく他の人と比べられるコンクール。
大きな大会ならではの緊張感や、待ち時間のもやもや。
それを見守る家族や先生たち、周りのお客さんの様子までも、
リアルに描かれた作品です。
クラシックならではの面白さ、魅力、
ドキドキハラハラな雰囲気、
そしてピアノという楽器が持つ、独特の孤独な闘い。
あっという間に読みきりました。
直木賞、納得。
最後にふと
本のカバーの中の光沢に気づいて
ああ、まさに
グランドピアノをイメージしているんだ!
素敵です。
読む機会がある方はぜひ
カバーも外してみてください。
というわけで
2017年の24冊目📚
2月の10冊目📖でした🤗✨
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ご自分の経験ともマッチするような本に出会い、本当によかったですね。。。