「没後40年高島野十郎展」@目黒区美術館

6月5日まで
目黒区美術館で開催されている企画展

「没後40年高島野十郎展」


行ってきました。


先日、東京の美術館のあちこちに
フリーパスもしくは割引で入ることが出来る
超お得なチケット
東京・ミュージアム ぐるっとパス2016

http://grut.to/2016


を買ったこともあり、

事務所に来たついでに立ち寄れそうなところを探したら
近くにいいところがあり

というので

ま、とりあえず
目黒区美術館でも行ってみようかな、行ったことなかったしな

くらいの気持ちで
ふらりと出かけて行ったわけなのですが


そんなゆる〜い気持ちで美術館に入り

帰りは心の奥から深くわし摑みにされて帰ってきたのでした。


高島野十郎さん


初めて知った日本の洋画家


いつも、展示の作品リストに
この作品が好きだったなあ、よかったなあ、っていうのがあったら
作品番号のところにチェックをいれながら見て回るのですが
あわやほぼ全ての作品にチェックが入る勢いで、チェックの意味がなく、途中でチェックを書き込むのを止めた程。

高島野十郎さんの絵は
暗いという人も多いようですが
私はぶれない真っ直ぐな力がある、大変強く潔い作品が多い気がしましたし、
必ずしも暗いかは、うーん、どうかなあっていうのが個人的な感想。
でもまあたしかに、自画像はね、暗いかな。ちょっと怖いイメージが多いですね。
自画像ですから、自分をそう描きたかったわけだし、そういう雰囲気とか、心のあり方を理想としていたのかもしれません。
強く、何にも負けず、追い込んでいくような感じが自画像から感じられました。


そんな高島さんのプロフィールがまたすごくて

東京帝国大学、現在の東京大学の農学部水産学科に入学すると
3年生、4年生の時は成績優秀につき授業料免除の特待生に選ばれ、
農学部水産学科をなんと首席で卒業。



が・・・


その学業の功績には一切目もくれずに

卒業したら一気に画家の道へと専念。



85歳で亡くなるまで
日本や世界の各地を旅をして絵を描き、
数多くの個展も開催。
亡くなる前年、日本橋の丸善で個展が最後の個展となっています。


高島さんの絵は

とにかく緻密。

その繊細な線、細かく描き込まれた描写、
そして繊細さとは反対の要素であるはずの力強さもひしひしと感じさせる、圧倒的な存在感。


あっという間に心を奪われました。



今回の展示の
特にお気に入り3作品を挙げるのは
とても難しいのですが

あえて頑張って絞ってみるならば


《雨 法隆寺塔》
1965年頃の作品で、実は過去に火災による災害にあい、修復されたものがいまの展示になっているとか。
この作品はタイトル通り、法隆寺の塔を描いてあるのですが、もう一つ、《法隆寺塔》1958年頃の作品と並べて展示されていました。
これらは全く同じ角度、同じ場所、距離感で法隆寺の塔が描かれているのですが
天気が異なります。
《法隆寺塔》は晴れの日、《雨 法隆寺塔》はしとしとと降り続く雨の日を描いているのです。

雨の日の方は、まるでお寺の境内の玉砂利や木々に当たる雨のシャラシャラとした音、観光の人たちもいない静けさ、ひんやりとした空気までが伝わってくるようです。
他にも素晴らしい作品はたくさんありましたが、この絵を自腹で買うか買わないか、となった時に「買いたい!」と思えたのはやっぱりこの《雨 法隆寺塔》でしたね。
もちろん、そんな「買います!」なんて言えるような金額の代物じゃないはずですが、気持ちとして、ね。



さて2つ目は


《積る》

雪がしんしんと降り続く景色を描いた作品です。北国で育ってきた人は、今日の雪が積もりそうかそうでもないか、降っている様子でなんとなく分かるんです。私も秋田育ち。積もる雪は感覚的にわかります。
そしてこの絵に描かれているのは、まさに、今夜は積もるよっていう時に降っている雪。
もう一つ《雪景》もすごく好きな絵でしたが、このいかにも積もりそうな雪を描いて、タイトルを《積る》としたあたりから、ベスト3に入れてみました。


高島野十郎さんは「エカキ旅行は東北に限る」と言うほど東北が気に入っていて、特に山形にたくさん行かれたようです。山形の雪も深いですものね。


最後はうーん
どれも甲乙付けがたいのですが
衝撃的と言う意味から《傷を負った自画像》かな。
今回の展示の展示室に入る前に《蓮華》があり、そして展示室に入って最初に飾られた絵が
この《傷を負った自画像》だったんですね。

すごいどろりとした空気感、重く、強く、表情も険しく睨みつけるような、
こちらがすくんでしまうような作品が
展示室の最初にある。

最初はびっくりしましたが

展示を最後まで見て、
揺らがない高島野十郎さんという人物を感じて、
まさにこの自画像から展示が始まるのがふさわしいと感じられました。

印象的な展示のスタートだったということで3つ目。



ということで

今回の展示は全国何箇所か巡回する巡回展。
東京の次は
栃木県に行くようです。

東京でもまだ間に合いますし
お近くに巡回していくことがあれば
ぜひ!

あのエネルギーと緻密さが織り成す感動は
本物を目の前にしなけらば分からない魅力だと思います!



目黒区美術館
http://www.mmat.jp

















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