『凍りのくじら』

前から気になっていたのに
なんとなく読むタイミングを逃して
ずいぶん時間が経っていた本を
とあるネット上の読書感想文がまとまったページでみつけまして、

みなさん、絶賛されていたので
読んでみました。







辻村深月さんの小説
『凍りのくじら』


ドラえもんが大好きな父と娘。
父親は写真家だったけれど5年前に突然失踪。
娘は成長して、写真家になった。

ドラえもんに出てくる道具、
こんなのがあったらいいなあというの、たくさんありますよね。
どこでもドアとか。
タケコプターとか。

SFを
少し・不思議
とした藤子・F・不二夫さんの言葉。
父親が大好きだったドラえもん。
芦沢理帆子は、周りの人たちを
少し・〜
と定義づけるようになる。
病床の彼女の母親は、少し・不幸
彼女自身は、少し・不在

絶妙なバランスのゆらぎの中にある
少し・不在な感じ。
自分の中にぴったり当てはまる記憶がたくさんありました。
だれしもが、少し・不在な感覚を持ち合わせているのかも。


高校生だった理帆子が大人になって
写真家になって
そこで彼女が決まって答える、彼女自身の写真を撮る理由、ステートメントは
極めて個人的なことで、一見、端から聞いたらなんのことやら、なことだったりするのだけれど、
彼女に起きたこと、過去を紐解くことで
すごく納得がいってくる。
ミステリーの謎解きと一緒に。
そして、強固なものになる。



世の中には
理屈や理論では説明が着かないことがたくさんあって、
それでも確かに在ることって、さらにたくさんある。


家族
写真
想い出
記憶の断片
目には見えなくても消えない大切な何か


いろんな観点から楽しめて
しかもミステリー。


さすが人気の作品。もっとはやくに読めばよかったー。




そんなわけで
2016年14冊目でした(o^^o)

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