中島たい子さんの小説
『ぐるぐる七福神』(幻冬舎)
32歳の女性、のぞみが
派遣社員として働きながら
東京のあちこちにある七福神を巡って行きます。
きっかけは
祖母の家を掃除していた時に出てきた谷中の七福神の御朱印。
たった一つ、寿老人の御朱印だけが足りなかったことに気がつき、
のぞみは、その足りない一つを埋めようと、七福神を巡り始めます。
人にはいろんな悩みがそれぞれあって
答えは必ずしも一つではないし、
誰かにとっての正解は、他の人にとっては不正解になることもあり、
全ては自分の心とだけ向き合うことで見えてくるんだよなと
そんなことを改めて思ったりしながら読んでいました。
歩き巡るうちに
いろんなことに整理がついてきた主人公のぞみ。
「私がネガティブな妄想をしてしまうのも、裏ではそれが覆されることをどこかで願っているからこそだ。」
そう言われてみると、
最悪なケースを想定している時って、
そうならないようにするためには、どうしたらいいか考えたり、
もし仮に最悪のケースに陥っても一度想定で予習してあるからダメージは最小限だぞと自分を励まして、上手く行くように奮起する原動力にしたり。
確かにね。
「七人の神様を「見る」のが、七福神めぐりなのではない。私はそれに気がついた。ぐるぐるめぐっていたら、いつの間にか神様に出逢っていたというのが、七福神めぐりなのだ。」
七福神巡りは大抵お正月にやるものらしく
ご開帳や御朱印もお正月に、というところが多いらしいのです。
オフシーズンに七福神巡りをしていたのぞみは、ほとんどご開帳も御朱印もない場所をひたすら巡っていました。
歩いていると
ふと、結論が出たりすることってあるんですよね。
これまた肉体と脳の関係で説明されちゃうのかもしれませんが、
何かに悩んだら
うむふむ言わず、まずは歩く!で、目的がなくて困るなら七福神巡りでもしてみて、っていうのも、良さそうだなあ
なーんて思ったり。
じわーっと効いてくるような一冊です。
ちなみに
七福神巡りをしながら
美味しそうなものを食べているのぞみ。
七福神あるところにゃグルメあり?!
そんな楽しみを目的地にするのも
七福神巡りのオフシーズンならお店の混雑も避けられて楽しめそうです。
ちなみに
ついでなので
ソラトニワ銀座のスタジオがある
銀座のご利益巡りの
銀座八丁巡りは
11月の始め
秋です。
こちらは
稲荷巡りよ。
今年も行けるかなあ。
今回もいい本に出会うことが出来ましたね、まるで本のソムリエのようなまりさん。☆
また、今年も、お稲荷さんを巡ることが出来るといいですね。(笑)
○ちなみに、私は、今は、『峠越え』と、『光圀伝』を読んでいます。書いた人も違えば、
主人公も違うのですが、お祖父さん(家康)と孫(光圀)ということもあり、並行して
読むと、二人が何となく性格的に似ている部分があり、面白いと思っています。。。