『リボン』

好きな作家さんの一人
小川糸さんの新しい小説を読みました。
これも前から気になっていた作品です。
今年の4月に出た単行本。

新しい作品を読むことが出来るって
とっても幸せだなあ。

リボンは
いろいろな書評だとか
本に付けられた帯から

オカメインコが出てくる作品

というところは分かっていて
(単行本の表の絵にも幼いオカメインコが描かれていますし)

なんとなく
そのオカメインコがいろんなシーンに登場するんだろうなあ

くらいに思っていたのですが

良い意味で
「違ったな」と感じることが出来て
いい本を読んだなあと思ったのでした。

この小説は
いろいろな人の物語が短編で綴られていて、

一番最初に登場する
「すみれちゃん」とその孫の「ひばりさん」
そして二人が卵からかえしたオカメインコの「リボン」が

最後の章にも登場します。

オカメインコの「リボン」は
ある日突然、大空へと飛び出して行ってしまうのですが、

その後に続く章では
「リボン」にそっくりなオカメインコが
それぞれの人と共に過ごす姿が描かれています。

読み手はそのオカメインコを「リボン」だと感じてしまうのですが、

実はちゃんと読んで行くと
そのオカメインコが「リボン」だとはどこにも書いていないんです。

状況として、それは「リボン」だと思うでしょう、というか
国語の読解試験があって、この鳥は?という質問があったら
正解は「リボン」になるんだろうなあ、という感じではあるのですが。

途中の章で傷ついたオカメインコは
「怖くないよ」と人間の世話をしてくれた人に、何度も言われて、心を開いて行きます。

その言葉が
一番最後の章で
「ひばりさん」に合った時に喋る言葉になっているんですね。

「怖くないよ」と鳥が人の言葉を真似て言っているんです。

もちろん素直に読んで行けば
「リボン」がいろいろな人のところを渡り歩き
「リボン」の様々な人生を経て
再び、「ひばりさん」のところに戻る

という話になるのかもしれませんが、

私はなんとなく
ここに、意図的な余白を感じずにはいられませんでした。

単なる偶然というのも
世の中にはたくさんあります。

けれど、人はその沢山ある偶然の中から
「きっと神様がくれた○○なんだ」と結び付けていたり、
「これは○○が巡り巡って来た事なんだ」と感じたりするわけです。

この作品の中では
なんとなく示しながらも
決めつけない部分の大切さが残っているような気がしたんです。

誰もそうだとははっきり断言しない。けれど、きっと…ということが、
箱の中に残しておいた大切な余白のようです。

この余白が、ほわほわとした綿に包まれているような優しい感じを
物語全体に作りだしている作品。


やっぱり
小川糸さんの書くものって
いいなあ~

読み終えて
ほわっとした素敵な気持ちが残って、
それが時間が経過しても
ずーっと心の底にちゃんと仕舞われているような物語。

コメント

僕も読んでみよっかな。

そういえば「ナカノヒトナドイナイ」読みましたよ。

意外な側面が観られてNHKへの見方が変わりました。

血が通っていることを感じられる良い本でした。

Crayon 2013年06月10日

リボン、と聞くと、手塚治虫さんの「リボンの騎士」を思い
出してしまいます。。。チューリップ
と言っても、リアルタイムだったお父さん方の世代では
ありませんよ。(笑)

今日もいい本に出会えて、幸せですね。☆

私は、今回は、趣向を変えて、法政大学の坂本光司
先生の『心の時代の感動サービス』という本を読んで
います。芽
何故か、昔から、ちょっといい話が好きなので。(笑)

まるみる 2013年06月07日

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