クレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館では、館内に入る前からユニークなヴァンジの彫刻作品が迎えてくれます。
表情は人間という枠を超え、生命体として喜怒哀楽を表現しているかのようです。肉体という概念を取り外し、内面に肉付けをしたかのような生命体。ヴァンジの作品は、人間の形をしていながらも自由で創造力に溢れていました。
多面的な顔をもつ人間をもしも感情をひとつしか持たずにカテゴリに分けたとしたらヴァンジの彫刻作品のようになってしまいそうです。
つるっとした彫刻にもかかわらず、そのストレートな表現のシンプルさのなかに思慮深く考えているような顔、一瞬のおどろき、悲嘆、慈悲、わずかな戸惑いなど細やかな感情が感じ取れるユニークなヴァンジの彫刻作品。
角度によって表情が変わるところも彫刻作品の面白さなんだなぁと思いました。
自身をとりまく世界を作品に内包させ、形をつくり顔、身体、内面性、魂を与えている、そんなふうに彫刻というひとつの芸術として形づくられているものを、空間に配置することで新しい世界観を魅せてくれるアート。
彫刻作品そのものをじっくり見ること、全体の配置に生まれる空間美を見るという新たな視点で鑑賞できて楽しめました。
屋内外ともに自然体で空間に調和していて面白かったです。
私たちは皮膚の下に、感情までも隠して生きているのだろうな。あらためて人間のもつ煩雑さを省みました。
ヴァンジの作品とその試みは、複雑で多角的な顔をもつ人間の見えない内面性を彫刻というシンプルな顔や姿に変えて本来の姿を見せてくれているかのようです。
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崖からゴム紐で飛び降りる、、、ものとは、大変な違い(^0^)の、深みのある美術作品がおかれた美術館ですね☆