一度絵を見たら忘れられない画家、それがベルナール・ビュフェでした。
早熟の天才であるビュフェのスタイルは生涯を通じてほぼ一貫しており、18歳という若さで独自の世界観を確立させていたのですから驚きます。
はっきりとした直線的な輪郭線を用い、抑制された色彩で退廃的でありながらも抽象的な性質を描き出しました。黒く太い輪郭線や直線的な線によって描かれる絵は、インパクトと存在感のあるものですが、ビュフェの描いているのは即物的なものではなく、内面性を描いているような気がしてなりません。はっきりとしたテーマにもかかわらず生々しさがないのは、そのモチーフを対象として描くことよりも、もっと奥深くにあるものを表現するための要素のひとつであるからなのではないかと感じられました。
エネルギッシュな筆致と抽象と具象の絶妙な掛け合いによってより鮮明に心に響くビュフェの絵は、あらゆる技法を用いながら老練されたセンスによってビュフェ自身が編み出した独自の世界観です。当時にして斬新でコンテンポラリーな要素を含んだビュフェの絵はかなりインパクトがあったのだろうと想像できます。私自身がその明暗のはっきりした斬新なテーマと特異性にとても驚きました。
私が好きな作品は、1947年のビュフェの初期の作品、靄につつまれたような褪せた色合いと虚無的な雰囲気が絶妙でその風景のなかに描かれた戦後の空気は、青年が描くものだとは思えないニュアンスでした。
落ち着いた色合いのみで描かれる簡素な作品も垂線によって強調されて、晩年よりも50年代あたりがとても気に入りました。
晩年は赤と黒がはっきりとした力の漲る作品が多かったです。生と死というテーマを力強く描いていたように思えました。
ビュフェ美術館、またゆっくり訪れて鑑賞したいです。こちらのエリアにもカフェがあり、広い敷地のなかを散歩を兼ねて楽しめました。
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すごく引き込まれる絵ですね!(*^^*)
私は絵は描けないからこうゆう絵を描く人ってほんとに素晴らしいなと思っています!(*^^*)