再び仙台へ


お仕事で再び仙台へ行ってきました。

どうしても行きたい場所があり、震災以来ようやく訪ねる事が出来ました。
仙台から2時間程車で走った所にある石巻市牡鹿町鮎川。

そこは私が去年、東北電力主催のクリスマスイベントに出演させていただいたところです。

海のすぐ近くで、震災による津波の被害が酷かったと聞いていたので、とても心配していました。
もし機会があったらもう一度訪ねてみたい、そう強く願っていたんです。

今回ようやくその願いが叶い、再びあの地へ行く事が出来ました。

行ってみると、あの時建物があったその場所に建物は何も残っていませんでした。

瓦礫が撤去され、ほとんどの場所が更地になっているのです。

イベントで歌った体育館は高台にあり、形は残っていましたが、遺体安直所となっていたそうで7ヶ月以上たった今は閉鎖されていました。
控室として使わせてもらった公民館は遺留品や流された写真が置いてあったり、全国から届いた寄付の衣類が置いてあったり、またボランティアの方々の活動拠点となっていて、多大な津波被害を受けた町の復興を支える大きな存在となっていました。

でも嬉しい嬉しい再会が出来ました〓

あのイベント当日ヘアースタイルがどうしても決まらず、慌ててかけこんだ牡鹿の美容室「バーバーたけだ」さん。
丁寧に私の髪を巻いて下さり、お会計の時には「お代はいらないから、牡鹿の人にいい歌を聞かせてあげて下さいね。」と言ってお代を受け取ろうとなさらなかった親切なお父さん。

ご夫婦で美容室を営むあのバーバーたけださんの事がずっとずっと心配だったんです。

お店があった場所に行ってみると建物は見当たらず、津波の被害を受けた事は一目瞭然。ショックを受けていた私でしたが、小さな看板を発見したんです。

「バーバーたけだ あちら→」

矢印を目指し山に向かって車で走りました。
すると、高台に一件の仮設住宅の美容室を発見したのです!

中へ入ると、あの優しいおじさんがあの時のままの元気な姿を見せて下さいました。
私を見るなり、覚えていて下さったようで、
「わざわざ来てくれたの?ありがとう!」と本当に喜んで下さいました。

お話を聞くと、津波の被害に加え、先日の台風の被害まで受けられて、考えられないようなご苦労を経験されたようでした。

でも避難所で1200人の人の髪の毛をボランティアで切ったんだよって話してくれたその姿は、とてもあたたかで誇らしげで、苦労を乗り越えた人の真の強さを感じました。

牡鹿のバーバーたけださんに行って、お二人に会って私の心のモヤモヤはなくなったけれど、復興には程遠い惨場を改めて目にして、どうしようもなくやるせない気持ちになりました。

被災された方々とボランティアの方々の頑張りで少しづつではあるけれど復興は進んでいるという宮城の方達。
国や行政の大きな支援で、震災前の姿にとは言わないけれど、人々がまた希望を持って暮らしていけるような環境を少しでも早く作ってほしいと強く願わずにはいられませんでした。

写メはバーバーたけださんの場所があったところを写したものです。画面左側に小さな看板があります。

コメント

ハチちゃん。ありがとう。本当にこれからの寒さが心配です。何しろ海からの風を防いでくれる建物は何もないですからね。しかも津波被害にあった土地には建物が建てられない事になっているんですって。牡鹿の皆さんが元気に過ごされますように祈るばかりです。

きゃなこ 2011年10月29日

ともおさん。ありがとうございます。小さな事からコツコツとです。支え合う事で大きな輪が生まれるんですね。今回の旅も私を牡鹿に連れて行ってくれた方がいらしたからこそ実現したんです。感謝です。

きゃなこ 2011年10月27日

縁があって歌い紡いだ場所が変わり果ててるというのは、読んでいても想像を絶しますね。でも人々の温もりや優しさは変わらないままで。お世話になったご夫婦との再会、よかったですね。


これからの冬の厳しさを思うと少しでも復興が進んでほしいと願ってやみません。

ハチ 2011年10月27日

どう言葉にしたら良いのか判りません。 ただ、私達が常に、小さい事でもどんな事でも力になろうと思い続けることが大切なんだと改めて感じました。

たけださんご夫婦がご無事で本当に良かったですね涙

ともお 2011年10月25日

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