でも重苦しいテーマはちょっとなあ
さらさらっと読めて
ちょっと笑えて
深いこととか関係なしに単純に楽しい気分になれる本がいいなあ
そんな時ってありませんか?
よーし、読書にとりくむぞっ
っていうしっかりした心構えなしで
ふ~ん、とページをぱらぱらめくっていけるようなもの。
そういう時は
「そんなまさか、ありえないでしょう~」
と思わずツッコミたくなるような
現実とちょっとズレた笑える本がいいかなって私は思います。
『達人 山を下る』(中央公論新社)
室積光さんの小説です。
昇月流柔術の達人である山本俊之80歳が、
誘拐された孫の安奈を助けるために、
42年間も修行で籠っていた山を下り、東京へ行く話。
この条件だけでも
「ありえないでしょう~」
ただじゃ済まないだろうな、この80歳…
という感じがむんむんです。
まあとにかく、この山本さん、すごい。
普段は山のふもとの子供たちから「炭焼き仙人」なんて呼ばれていて、
自由人な雰囲気かと思いきや、
熱い。
かなり熱い。
正直、隣にいたらびっくりしてかなり引いちゃうかもしれないくらい、熱い。
そしてバックグラウンドもただならぬもの。
11歳の我が子を残して山に籠りに突入。
以来42年間も籠って修行。
その前は何をしていたかというと、
東京で検事。
破天荒です。
あまりにも突き抜けているので
むしろかっこいいです。
この山本氏のキャラに笑わされっぱなしで話は展開していくのですが、
さすがは元検事だからなのか、
修行のたまものなのか、
正義のために、ばっさばっさと相手を切り倒すような鮮やかさ。
痛快でスカッとします。
読んでいて
ありえないでしょう~
というツッコミを何度入れそうになったことやら、ですが、
それはそれで、笑えるんです。
山本氏から繰り出される昇月流の技の数々。
それを見て、弟子になりたいと言いだす若者も出てくる程なのですが、
最後に、山本氏が言ったこと。
「世の中で一番強い技は何か。」
それは
「敵の友になること。」
つまりは
「許す」ということでしょうか。
相手を許す、それも敵であった相手を許すというのは、
ある意味では何よりも難しく、
そして何よりも強い力が秘められた
この世で最強のものなのかもしれません。
ありえなさ加減がとんでもない山本氏。
最後に深いこと、言うじゃないのよ。
とまあ、
とにかく
事件ものなのに痛快で
人情ものに見えてコメディー。
今日はあんまりいいことなかった、
なんか気分転換したい~!
という時にでも。
んぷっ、と
笑っていただけると思います。
こんにちは~。
若い僕からー笑 おすすめの本を。
うーん、普通に迷うな笑 小川洋子さんの、「博士が愛した数式」。もしかして無難なとこいったのかな笑
女の国語の先生に、おすすめしてもらった想い出の本です。元気にしてるかなー。爽やかキャッチー読めば深い。と僕は思います。良ければ立ち読みでも。
お元気でねー、頑張って下さい。いつも楽しく読ませてもらってます。