それでも☆

 

フジテレビ木曜日22時から放送されていたドラマ

『それでも、生きていく』が15日に最終回をむかえ、放送を終了しました。

 

中学生が幼い少女を殺し、その加害者家族と被害者家族が15年後に出会い、それぞれの生き方が変わっていく、そんなドラマ。

 

私はたまたま1回目と2回目のダイジェスト番組を見て興味を引かれ、3回目から見始めたのですが、かなりハマって、毎週とても楽しませてもらいました。

 

テーマが重くつらい内容なのですが、役者さんのリアルな演技と坂元裕二さんの素晴らしい脚本の力でどんどん作品に引き込まれていったんです。

 

役者さんは、殺された女の子の兄を瑛太君、母親を大竹しのぶさん、加害者を風間俊介君、妹を満島ひかりちゃん、父親を時任三郎さんが演じていらっしゃいました。 

 

結ばれる事が出来ない瑛太君とひかりちゃんの恋模様。最終回の二人のシーンは本当にリアルで、それぞれの人となりや葛藤が痛いほど伝わってきて切なく、とても素敵なラブシーンでした。今までよく知らなかったのですが、満島ひかりちゃんってすごくいい女優さんなんですね。かなりの若手有望株だと思いました。

 

時任三郎さん。最終回の捕らえられた息子と向かい合い自分をさらけ出すシーン。あんなにぐちゃぐちゃになった時任三郎さんを初めて見ました。許されない罪を背負ってしまった息子に全ての責任は自分にあると精一杯の愛情を示す加害者の父親。全霊で演じる時任さんの演技に目頭が熱くなりました。

 

そして、今回何と言っても特筆すべきは大竹しのぶさんです。

加害者の風間君を追い詰め積年の思いをぶつけるシーン。テレビドラマの役者さんの演技を見て鳥肌が立つ程怖いと思ったのは初めてでした。あれは歴史に残る名シーンだったのではないでしょうか。

 

幼き頃より憧れの女優さんだった大竹さん。

ずいぶん昔、野田秀樹さんのワークショップで何日かご一緒させていただきました。普段はごくごく普通で穏やかでかわいらしい女性という印象でしたが、ひとたび舞台に立てば、オーラと力強い台詞の力で他を寄せつけない。オンオフの切り替えが上手で、本当に素敵な方だと尊敬していました。

 

役者さんの中には、普段から役に入られる方もいらっしゃいますよね。憑依型とでもいいますか。

ちなみに私は…ウ〜ン。役にもよるかなぁ。でも憑依型ではないはず。

 

で、話しを元に戻しますね。大竹さん。

そのドラマの中で娘を殺したにっくき犯人と相対するシーン。台本にして4、5ページに及ぶものすごい長台詞だったんですって。しかもテンションが急にマックスまで上がって、泣きわめいたり、ぶつぶつ呟いたりと感情がジェットコースターのように起伏する難しい長台詞で、関係者のお話しによると、大竹さんは語尾一つに至るまで台詞を全く間違えなかったらしいのです！

もちろんそんな事は当たり前なのではとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。でも親切な現場だと役者さんの感情を最優先にして語尾がほんの少し変わるくらいは大目に見て下さったりするものなのでしょうが、大竹さんは語尾の一言一句に至るまで完璧に台本通りの台詞で、しかも視聴者を震え上がらせるような演技をなさったんです！

 

多分、ビデオが出てそのシーンがどれ程凄かったかをご確認いただければ、私の熱弁の意味をご理解いただけると思います。

 

とにかく…。

 

プロです。プロ中のプロ。

 

スタッフやキャストに敬意を払い尊重し、その上で完璧な仕事を残す。

 

改めて大竹さんの偉大さを思い知ったドラマでもありました。

 

その大竹さん。

10月にクリエで上演される『ピアフ』に主演なさるんですよね。

私の大好きなエディットピアフの生涯を歌と芝居で綴るミュージカル。

演出は私が大尊敬する栗山民也さん。

ミュージシャンに私の大学の先輩藤田朋子さんの旦那様で日本が誇るアコーディオン奏者の桑山哲也さん。

 

この天才同士の舞台が一体どんな作品になるのか今から楽しみで仕方ありません！皆様もお時間あったら、是非見に行かれて下さい。

 

超オススメです

 

 

いつか私も『それでも、生きていく』のような本格派のドラマや天才同士のぶつかり合いの舞台に呼ばれる女優になりたいなぁ

 

ああっなりたいっ

 

 

今はまだ難しいかな…。

 

 

それでも、

 

 

願い続けていくっ