急に画面に現れたラーメンが食べたくなったり、
明日はどうしてもお蕎麦屋さんに行きたい気分だとおもったりしたこと、
ありませんか?
本を読んでいても
美味しそうな料理がわんさか出てくると
お腹がぐぅ…
『天国のスープ』(文藝春秋)
を読みました。
松田美智子さんの小説です。
思い出のスープををめぐる、心温まる物語です。
とある姉妹。
姉が食べたという美味しいスープを
どんなスープだったのか話を聞いただけで探しだそうとする妹。
スープの専門店である「スープの店」で働く料理人。
息子を事故で亡くしたその妻。
「スープの店」のオーナーシェフが
スープとは、と語るシーンがあります。
「スープは、食物の栄養を最も吸収しやすい形で取り入れることができる料理だ。
消化力が弱い老人にも子供にも、病人にも負担をかけることなく食べてもらえる。
最高の栄養食であり、美食にもなるんだ。」
もともと私はスープは大好きで
家でもよく作るのですが、
こんな風にスープについて考えて作ったことなんて
なかったんじゃないかなあと思います。
小さい頃、私が風邪をひいた時に
母がいつも作ってくれた
「栄養のないスープ」
というのがありました。
不思議な名前ですが
要は入っている具には栄養があまりなくて
液体になったスープの方に栄養が入っている
という意味なんですね。
野菜が小さく切ってころころと入っていて
コンソメ風の優しい味のスープです。
よく熱を出したり咳が出たりして寝込む子だった私は
この「栄養のないスープ」が大好きでした。
胃も調子が悪くて、何も食べたくない時でも
「栄養のないスープ、作って」
と言っていたそうです。
『天国のスープ』の中で妹が探していた姉の思い出のスープは
オレンジ色のスープ。
いろいろな食材も出てきて
ニンジンが色によって成分が異なるという話も興味深いです。
心をこめて食べてくれる人のことを思い
作り出される、「スープの店」の美味しいスープ。
そういえば、小川糸さんの小説
『食堂かたつむり』に出てくる
ジュテームスープも、
オレンジ色じゃなかったっけ?なんて思い出しました。
読み終えて、
猛烈に美味しいスープが飲みたい
と思いました。
スープにはいろんな色と種類、食感のものがありますが、
本の影響により
ポタージュ系で
色は赤系のものがいい!と探して…
美味しい真っ赤なスープをいただきました。
満足。
スープって、
心の中まで優しく温めてくれますね。
野菜炒めを作って鍋に入れて、牛乳を入れて、コンソメスープの素と塩コショウをして弱火で煮込んで沸騰させたら、牛乳スープの出来上がり、小麦粉を入れるとシチュウにもなります。とても美味しいですよ。具もちゃんと残ったままですよ。良ければお試し下さい。(._.)オジギ