動物と地震

ビッグサイトで最後のナレーションをしていた瞬間が
随分前のことのように感じます。

走り回るお客さんたち
パニックになり叫んでいたコンパニオンちゃんたち
そのパニックの人の流れに巻き込まれない様に、すぐ飛んできてくれてガードしてくれたディレクターさんたちやブース責任者さんたち

巨大地震の経験が4回目な私ですら

頭の中の半分では、
お仕事中なんだからお客様が展示物で怪我をしない様に
今持っているマイクで言わなくちゃとか、
落ち着かなくちゃとか
頑張って保とうとしていつつも

正直、頭の残り半分はで
心臓がバクバクして
緊張の渦に飲み込まれそうでした。

多くの見知らぬ人たちがパニックになると、
本当に、人は我先にと殺到するんだ、という状況に
初めて遭遇しました。

家に帰ってから
母と二人で、
「そういえばここ最近、
もともと小食なウィルが、
ぺろりとご飯をたいらげて、
もっとくれくれと騒いでいたよね」
という話に。

何かを感じて
食べ溜めようとしていたのかもしれません。

過去の巨大地震の時には
家に猫たちがいたのですが、
地震がくる少し前から
急にアオーンアオーンと太い声で鳴きはじめて
一生懸命何かを訴えていました。

動物には、何かが分かってしまうのでしょうか。

偶然の話ですが
私は地震があった日、オシャレなヒールパンプスと
もこもこのぺたんこブーツと
どちらを履いて出かけようか、
玄関で迷い、なんとなくぺたんこブーツだと選択しました。
この選択により、ビッグサイトから長距離を歩くことができたのです。

いつも持ち歩いているノートパソコンも
この日は偶然、置いていこうかなという気持ちになりました。
荷物を軽くしたいなと思って。
これも後々、あの選択をして良かったと思うことになります。

そして
あの2時45分スタートのナレーションの直前まで
控室で読んでいた本が
『さいえんす？』(角川書店)
東野圭吾さんのエッセイでした。
この本の中に「教えよ、そして選ばせよ」という章があるんですが、
そこにはまさに人類と電力の話が書かれてあったのです。
発電所と、私たちが使う電気量について、
贅沢に電気を使っているんだということについて。
そんな章を地震の数分前に読んでいたなんて。

今、私たちに出来ることの1つは
節電。
色々なことを電気や電池など
科学技術に頼って生きているのだということを
改めて痛感します。

友達は何人か災害派遣命令で被災地に向かいました。
色々なこと、祈るばかりです。


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多くのコメント、ありがとうございます。
今回は、毎回書いてきたコメントのお返事は、
誠に勝手ながらブログの更新という形で代えさせていただきます。
しばらくは自宅待機なのですが、
テレビの大変な状況を目の前にして
不安でいっぱいになる時間の中で、
みなさんからのコメントを見て、
元気をいただいています。
とても感謝しています。
血の繋がりなんてなくたって、
人と人との心の繋がりっていうのは、
本当にありがたく、なんて心強いものなんだろうかと
感じています。
ありがとうございます。