ありますか?
今日は人前では絶対に読んだら危険!というくらい泣ける本に出会いました。
『冷蔵庫のうえの人生』(文藝春秋)
アリス・カイパース(Alice Kuipers)さんの作品を
八木明子さんが翻訳された本です。
原題もそのまま “Life on the refrigerator door.”
産婦人科医の母親と、娘のクレアは
父親と別れて女二人暮らし。
忙しい母親とのコミュニケーション手段として、
いつも二人は冷蔵庫に伝言メモを貼り付けておきます。
この本は、二人の冷蔵庫上に残されたメモだけで構成されているんです。
手紙のやりとりのみで構成されている本としては
A.R.ガーニーの『ラヴ・レターズ』という朗読劇が有名です。
日本語訳でも出版されていて、上演もたくさん行われていますね。
クレアと母親は
この伝言メモで、買っておいてほしいものや、
家の用事で済ませてほしいこと、
娘が作っておいた料理を食べて、美味しかったよ、ありがとうと書く母、
ご飯作って置いたから良かったら食べてねというメモ
誰かから電話がありましたと伝えたり、
疲れたから寝ますと書いておいたり…。
帰宅時間もバラバラな産婦人科医と娘とのやりとりならではなのですが、
我が家の母娘の伝言メモとよく似ている部分が多いなと思いながら読んでいました。
カレンダーにお互いの予定を書きこみ合うのも似ているし(これでいちいちお互いの予定を確認せずともいつでもすぐに分かるので便利です)。
クレアの母親は乳がんになってしまい、働きながら治療を進めます。
喧嘩したり、すれちがったり、
それでもしっかり二人はお互いを一番大切に思っているんだということが
メモから伝わってくる、
冷蔵庫に託された愛の言葉たち。
「いい母親なんか欲しくない。わたしはお母さんの子でよかった。」
娘、クレアのメモです。
メモは一言二言の短いものから、手紙のような長いものまで様々。
その全てに愛が詰め込まれています。
とにかく3分の1くらい読み終えたあたりから、ずっと
二人の愛情を感じてボロ泣きしたいのを我慢して読んでいました。
結局ラストはボロボロ泣いていたんですが…
カフェで読んだことを、とっても後悔しました。
この本は自宅でひっそり読むのをおススメします。
何にも負けないくらい
強くて大きい母親の愛情。
日常の中で感じる家族愛は
人生の宝物なんですね。
すみません
“sweet aunt”もオススメです。
高校卒業するかしないかくらいの女の子がストーリーテラーの話ですが、
彼女の、
ぶっきらぼうな叔母さんと、
施設に入っているお祖父さん
の言動に 泣けます。