詩をよむこと

お気に入りの詩を心の中に仕舞っておけるって
ちょっと素敵なことだなと思います。

今ちょうど読んでいる短編集の
「ひむりーる独唱」という作品
(新潮社から出版された『青い鳥』という重松清さんの短編集に収録されています)
では、学校の担任の先生が、心に傷を負って1人で過ごしていた生徒に、
図書館にある草野新平の詩集を薦めます。
先生の好きな詩もあって、
それを暗唱するシーンも出てきて。

好きな詩を暗唱するって
素敵だなと思うんです。

その詩がまた、その状況にぴったりだった時なんて
その人のセンスの良さを強く感じます。

物語の中で、詩の暗唱をする登場人物を思い浮かべると
ちょっと良い御家柄だったりしませんか?

例えば
有名な映画『ローマの休日』で
オードリー・ヘップバーンさんが演じたアン王女。
注射でふらふらになりながらも
詩の暗唱をするシーンが出てきます。
グレゴリー・ペックさん演じるジョーと
その詩の作者をめぐって、キーツかシェリーか言いあいになるんです。

大人から子供まで愛されている作品では
『不思議の国のアリス』があります。
アリスはまだ大人のレディに認められる1歩手前。
それでも詩を暗唱していて、
不思議の国では、覚えていた詩をイモムシさんの前で暗唱しようとするんです。
結果的に、イモムシさんの不思議な詩を聞くことになるんですが。

ここからも
両家の子女は詩を暗唱しているもの
という図式が浮かび上がって来ます。

日本ではあまり詩の暗唱と学識を結びつける風習がないように思いますが、
昔は和歌などを詠んでいましたよね。
知識がないと面白さがわからない文章などを使って、
教養を遊びに転換しているようなことも。

なにかをひけらかすわけではなく、
さらりと好きな詩が言えるっていうのは、
男女問わずかっこいいなとも思うんです。

それと同時に
自分はこんな詩が好きなんです
ってはっきり、しかもスマートに言えるんですよね。
その人の趣味もわかる。

最近観た映画でどんなのが面白かった?
という質問でも、その趣味趣向を知ることはできるかもしれませんが、
すらりと詩を暗唱するだけで、
詩人と、詩の内容と、それを言うタイミングのセンスの良さみたいなものを
一遍に垣間見ることが出来る。

ちょっと憧れます、そういうの。

素敵女子になるべく、
大好きな詩を日々探している鈴木麻里でした。

コメント

我が国こそ、『素読』という、文章の意味を気にせずに、暗誦が出来るようになるまで、繰り返し音読する勉強法がありました。素読から詩吟が生まれてます。良き風習ですが、戦後の日教組教育で廃り残念ですね。

やす 2011年02月18日

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