沖縄が恋しくなる『ホテルジューシー』

そんなつもりじゃなかったのに、
ふいに出会うと、余計に恋しくなることってありませんか。

『ホテルジューシー』(角川書店)
を読んだんです。
坂木司さんの小説。

女子大生の柿生浩美が、夏休み中のアルバイト先に沖縄の宿を選び、
ひと夏のバイトライフを描いた物語。

責任感が強くてしっかり者
なんでも手際よくこなし、
正しいことをしようとする柿生。

もちろんそれは良いことだけれど、
人生はそれだけじゃない。
カーブや減速も時には必要だということを
この「ホテルジューシー」でのアルバイトで学んでいきます。

「ジューシー」とは、沖縄の炊き込みご飯のこと。
私が宮古島で食べた「フーチバジューシー」は
ヨモギの御粥のようなもので
とっても美味しかったんです。
急にあの宮古島の郷土料理屋さんで食べたジューシーが食べたくなりました。

他にも台風の時の非常食になっていた
ソーミンチャンプルー(乾麺と缶詰ポークで作る)
などを筆頭にとにかくポークがあちこちの料理に入っていて
「ポーク責め」にあうということ。
これもなんとなくわかる。
グルクンのフライ
豆もやしのマーミナチャンプルー
もずくスープ
食べたことないけれどこの本で出会って食べたくなった、ドゥルワカシ―
などなど、
とにかく美味しそうな沖縄料理がわんさか登場します。

島野菜とか、チャンプルー
ジューシー
東京だとチャンプルーもゴーヤーチャンプルーくらいしか
なかなか見かけませんね。

美味しい沖縄料理を食べたくなりました。
この本を読み終えた頃には
すっかり気分は沖縄の美味しいものでいっぱい。
お腹が空いている時に読むとちょっと危険です。

各章の扉ページも
話題のポークからとって、芸が細かい。
JUICYと書かれたポークパッケージには
SAKAKI TSUKASA COMPANY
と書かれていたり、
主な材料がOKIRAKU  YURUYURU
だなんて。楽しい。

正しいことってなんなんだろう。
沖縄でそのテーマと向き合った柿生。
「ねえ。私の「正しさ」は、間違ってるのかな?」

そして自分がなんとかしなくちゃ
と思っていたのが、
自分がいなくてもなんとかなるんだ
という結論へ。
でもそれは決して寂しいことじゃなく、
「いなくてもなんとかなるけど、いたらもっと楽しい。そうでしょう?」

柿生が豊かな心を学んだ沖縄。
まっすぐだけが正しいわけじゃないし、
人生は思ったより深くて面白い。

そんな締めを書きながらも
沖縄料理に洗脳される
食いしん坊には警告ランプ点灯な一冊です。





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コメントのお返事です。
しおかわあゆりさんへ
コメントありがとう!
私もけっこうこの本は分厚かったから、うーむむと思っていたんですけれど、
読み始めたら一気に読んじゃいました。
同じ作家さん・有川浩さんの『シアター!』は文庫だし
演劇と劇団の話なので読みやすいと思います。
機会があったらぜひ~!

コメント

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