心に残る巡礼の旅


チベットのアンティークビーズの仕入れと販売をしている友達がいるのですが、少し前にその人が貸してくれた映画(DVD)を先日の大雨の休日に鑑賞し、観てよかったと心から反芻できる作品に久々に出会えたなあと思いました。






日本語タイトルは『ラサへの歩き方 祈りの2400km』
英語タイトルは “PATHS OF THE SOUL”

直訳すると「魂の道」



チベットのラサへ巡礼の旅に出る人の一旅団を追った作品で、ドキュメンタリーではなく映画作品なのですが、巡礼の工程や文化的な習慣などはチベットの人たちが普段行う様子を限りなく尊重しているそうです。
出演している人たちは普段プロの俳優として活動している人たちではなく、普通の生活をするチベットの村の人たち。映画だから演技をしてもらっている部分もあるし、セリフの大まかな骨組みもあるのだけれど、完全なる芝居でもない。半フィクション半ドキュメンタリーのような手法で作られた作品かなとも感じました。


遠く離れた村で、巡礼の旅に出るための相談をしている人々。
旅のメンバーが決まり、残る村の人に見送られながら出発する旅団。
淡々と毎日少しずつ進む巡礼の様子を追う映像。


毎日が心豊かに満たされるとはどういうことなのか。


生きるとは何か。


全身全霊で五体投地をしながら祈り進むことだけを続ける日々の映像からは苦行のような重苦しさは感じられず、「ただ祈る」ということのみが浮き彫りになっていきます。


もちろん道中には険しい道もあり、厳しい環境の変化もあり、
トラブルもあり、不運とも受け取れるような事態に陥ったりもしますが、
それでも凪のような祈りの心が静かに満ちているのです。


お椀の中の満たされた水は溢れることはなく、枯渇することもなく、常に必要十分な量が、常に最も清浄な状態で入っていて、誰もが必要ならば飲んだり利用したりできる、そういう魔法のお椀を見ているような気分になりました。




私はまだチベットに行ったことはないけれど、いつか機会に恵まれたら、その土地に立たなければ絶対に感じられない大切なものをたくさん呼吸して、自分がいかに知らないことが多いかを痛感するのだろうと想像しました。




ちなみにこの映画をお薦めしてくれた友達の取り扱っているチベットのビーズですが、この映画の主役としては出てきません。けれどこの映画を見ると、このチベットの空気と歴史と人々の営みの積み重ねが濃縮されているビーズのコレクターがいるというのも、すんなりと納得できてしまいます。
あのチベットの一部を手元に置けるのだという空気感や、もちろん物質としての価値や美しさもあり、色々な観点からのコレクターが日本にもたくさんいるのだろうと思います。
チベットのビーズは主に都市部の大きな骨董市などで販売している人が多いようです。




チベットはやっぱり色々深いし、ことある毎になぜか我が家の生活にエッセンスとして侵入してくるものなので、いつかの何かにつながる伏線なのかもしれません。
その時が来たら、ああこれかと、ムフッと一人心の中で笑いたいと思います。








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