本棚から繋がること

本は人と人を繋いでくれる、不思議な物です。
同時に自分自身を俯瞰する手段でもあります。
書かれた内容を伝えるという初期的な役割以上のものを広げてくれるのが、本と読書とそこにまつわる時間や人たちです。


「私の好きな本30冊」というテーマに対し、私の30冊と他の人の30冊は違っているだろうし、私の今年の30冊と10年後の30冊はきっと全然違う本たちが並ぶのだと思います。


その30冊をみて、何を思うのか。誰かの本棚を見て、そして自分が選んだ本を改めて冷静に見直してみて。


人と話すのが苦手と言う人でも、好きな本を数冊挙げることができれば、自分と近い感覚を持った人に出会える確率が上がるのではないかと思うのです。


自分の本棚の様子から、現在の自分を知ることもあります。昔は違った傾向の本が好きだったのに、最近はこんな感じなのかと、自分で選んでおきながら気付かされることも多いです。


書店や図書館に行って何気なく棚を眺めながら、新たな本に出会う時間がとても好きです。
自分の検索能力だけでは引っかかってこなかった本に、ふと巡り合わせてくれます。





先日、湘南に新しくオープンした古書店に行ってきました。古い造りの店舗のような場所を改装した素敵なお店に仕上がっており、その店をお一人で切り盛りされている店主さんは、お店が地域の公民館のようなスペースになったらいいなと思っていると穏やかにお話してくださいました。

その古書店には、1ブロック分の箱内に、誰でも自分の蔵書を出品して小さな古書店ができるという棚が設置されています。1人1つの割り振られた箱の中に、漫画から文庫から絵本からと様々な種類の本が並びます。それぞれの棚は個性豊かで、出店者さんによって全く違う雰囲気に仕上がっているのです。
ハラハラドキドキするような小説が好きな人、ノンフィクションで社会的な内容が好きな人、時代を考えるようなエッセイが好きな人、お料理が好きな人。
棚を見ながら、どんな人が出展しているのか想像が膨らみます。
もちろんそれは、その人のある一側面にしか過ぎないし、実際にお会いしてお話ししてみたら全然想像と違ったなんてこともあると思います。
けれどその本の羅列はその人の一部であることもまた、間違いのない事実です。


大きな円と大きな円の端が少しずつ重なって、葉っぱのような形ができる部分。そこにお互いの本棚が存在していれば、それだけで少しは共鳴し合えるのではないかという気がしました。





もちろん読書は語彙力や集中力をアップさせたり、心を豊かにしたり知識を増やしたりと、世間一般的に言われているメリットをたくさん持っています。


そしてさらに、もう少し違う面から考えてみれば、読むというインプットが、自分を伝えるアウトプットのための道具にもなるのです。


たくさん喋るのが苦手な人でも、大好きな本が1冊あれば、そこから繋がる世界がぐんと広がるように思います。






ウィルさんは少し長いお留守番になったためかご不満を全身で述べています。美味しい鶏肉のお土産くらいでは釣られないんだそうです。
選んだ本は森下典子さんの『いとしいたべもの』(文春文庫)、万城目学さんの『パーマネント神喜劇』(新潮文庫)、幡野広志さんの『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社) 




今回、素敵な古書店で選んだ本がこの写真の3冊。全て別々の出店者さんからの古書です。
本の中には、それぞれの方がこの本を好きな理由など、手書きのメッセージが添えられています。皆さんの本への想いを見ていくうちに、本がリレーしていくような感覚を受けたので、私も読み終えたら、誰かにこの本を繋ぎたいなと思いました。





この古書店について気になった方はこちらをどうぞ
「話せるシェア本屋 とまり木」
https://cheeega.com/post/8362/

私の好きな地域のフリーマガジンCheeega(チーガ)がきっかけで今回このお店を知りました。

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