梅が見頃になりました。早咲きの桜もちらほら。
少し前ですが国立新美術館で開催中の「ブタペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年」に行ってきました。
https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/budapest2019/
私が訪れたときは人もまばらで空いていたため心置きなくじっくりと絵画と向き合えました。
なかでも印象的だったのはハンガリーの画家ムンカーチ・ミハーイの作品。
正確ではないかもしれませんが6点ほど彼の作品が展示してありました。
客観的な目線で物事を捉えているかのように、絵の構図の中に自然に人物が収められていました。
主観的に感情に訴えることなく、ただ静かに対象を観察し、ありのまを描くけれども本質を見逃さない。
そんな画家のものの見方が現れているようで、絵の面白さを実感しました。
彼の作品の深く落ちついた色合いも、静かに語りかけてくるようで、その内包された深部を見つめようとするとき、時が止まったような静寂に包まれます。
一方で私を取り巻く時計の針は、絶えず動いているのを同時に感じるとき、なんともいえない不思議さがあります。
人間は感情によって時を司る感覚が変わるのでしょう。私は絵を見るとき、絵の中の時が動いていて、自分が静止している気がします。
そのくらい風や光のきらめきが生きているように感じてしまう。とても素晴らしい絵は絶えず人を感動させる力があります。
同時に、自分の目でも画家と同じように日常に溢れる自然体な美しさを見つけることができたら、なんと素晴らしいことでしょうか。
私たちは日々、人々や陽だまりや風景を見ているはずなのです。
描く力はなくとも、自分の目の前に広がる、ささやかな美しい世界を知っている人になりたいと思いました。
心に残る作品に出会えたことで心満たされた展覧会でした。
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ゆりえさん、梅なら来月初めに水戸の偕楽園はいかがでしょうかと思いました。