オペラ「金閣寺」を鑑賞。
この金閣寺はかねてより愛読していた三島由紀夫の作品で、私の中にはすでに、ありありと黄金に輝く金閣寺、雪の中に映える赤い外套の女、燃え盛る炎の色など色彩的に印象に残るイメージを持っていました。
さらにひとつひとつのシーンや人物がすでに肉体と精神をもって、私の中で作品として完成されていたので、オペラの上演を知ったとき、どんな人物像でどのように物語が進んでいくのか楽しみにしていました。
原作では主人公溝口はきつ音症ですが、オペラでは右手が不自由という設定になっていました。さらに内に秘めた精神面を反映させるため、同時に若い溝口もでてきます。
音楽も物語のトーンにふさわしく、溝口の孤独で荒ぶる精神を表すにふさわしい不穏な音楽や、曲で表される世界観が素晴らしかったです。
不敵な魅力のある柏木、繊細で脆い鶴川、そして金閣という美に苛まれ金閣を燃やすという行為によって自分の生きる世界を変えようとした溝口。 オペラ歌手の方々やオーケストラによって重厚な世界を音で魅せてくれました。生の歌声、演奏が脳裏に焼きついて、鮮烈な印象を残してくれました。
そして私は、小説という文字から生まれた実態のない肉体が、こうして精神を宿し、観念として共有されるという 不思議な感覚に魅了されました。
文章という、音も色も映像もない世界から受け取った世界は、私の脳裏でイメージが形成され、そして多少の違いはあれど、私の受け取っていたものと同じ世界が舞台上に描かれている!そしてそれを劇場にいる観衆は皆、共有している!
文学という芸術に秘められた可能性!そして文章が生む芸術への信頼!
私は文章が好きで、文字を紡ぐことで世界が生まれる感覚が好きです。それを今回実感できた気がしました。
芝居でも作り込まれた映像でもなく、歌唱と音楽で表現され、最小限の効果的な演出だからこそ得ることのできた感覚だと思います。
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写真は、観劇前のティータイム。
パンダのパンケーキとメープルラテ🥞
上野ならでは🐼💕
オペラの金閣寺に行って来たんだね!(*^^*)
素敵な世界観に囲まれて色々な表現に触れられて良かったね!
愛読してきた作品だから思い入れも強かったんだろうね!(*^^*)
良いものが見れて本当に良かったね!
パンダのパンケーキ可愛いね!(*^^*)