松本智秋さん写真展「散歩とごはんのくり返し vol.5 inシリアとクルド」 @馬喰町ART+EAT

ピンと来た。

どうにも気になって仕方がない。

でも理由がすぐには述べられない。

ひたすら見る。
何故気になるのか知りたくて、答えを出したくて、ぐるぐるとしつこく見る。

怪しいくらい見る。





知り合いなのかな。
友達とか?

ギャラリーの方に、「作家さんのお知り合いの方ですか?」と聞かれることもよくある。「作家さんですか?」と声をかけられることもよくある。

それくらい、見ず知らずの人の作品展を、ぐいぐい見ていることがある。よほど異物なる鼻息を感じさせてしまうのだろうか。



とはいえ、気になるものに出会ってしまったら、周りからの見え方なんて気にしている余裕はなくなるようだ。
本人としてはさりげなく見ようとしているのだが、抗い難い気になる気持ちは、時にビシリとギャラリストに伝播してしまうこともあるのかもしれない。
ものすごい富裕層には見えない私を見て、ここまで真剣に作品を鑑賞しているとなると、確かにギャラリスト側から見た選択肢としては、展示作家の知り合いか、私自身が作家で勉強しているかのどちらかということになるのだろう。


「ブブー外れ!お立ちいただいて1回おやすみとなります。」

とでも言えればいいんだろうけれど、
だいたい恐縮しきりでおそるおそる
「いえいえ・・・アートを見るのが好きなんです・・・」
とか細く返答するのが精一杯である。

顔見知りのギャラリストさんたちがいれば「あ!クスさん」とか声をかけていただき、あれこれ別人かのように弾む会話が展開するのだが、こう見えてわりと人見知りな私はプライベートで遭遇する初対面の人たちには尻込みしてしまいがちなのだ。
(仕事のスイッチがオンになっている時はまあまあなんとかなるんだけれど。)



今回偶然出会ったとても素敵な展示は馬喰町ART+EATで開催中の松本智秋さんによる写真展「散歩とごはんの繰り返し Vol.5 in シリアとクルド」








旅が大好きな彼女は、コンパクトカメラを手に一人で世界中を巡っている。
旅をするために仕事を変えたり、お金を貯めたり、行き先の情報集めをしたり、日々の全てを旅行に捧げているというタイプの根っからの旅行好きだ。

旅行好きな人はそれほど珍しくもなく、バックパッカーも日本はもちろん世界中にもたくさんいるし、旅行をしながら写真を撮る人も本当にたくさんいる。今やSNSでの発信をみれば、プロからアマまで写真を使って自分の旅を発信することがいかに世に溢れていることかは一目瞭然だ。


しかしそれほど珍しくもないテーマである僻地への旅行写真の羅列なはずなのに、今回とてつもなく気になり、その根拠を探るべく、会場内をぐるぐると何周もしてしまった。この場所はカフェでもあり、コーヒーと美味しいスイーツが楽しめるので、アート巡りの途中で私もたまに立ち寄るのだが、この日も二人の女性がお茶しながらお互いの話で盛り上がっているところだった。壁に並ぶ写真を食い入るように見る私は、彼女たちの目には「写真とった人の友達かしらねえ」と映ったかもしれない。


とにかくこの気になるモヤモヤが消化不良のまま、写真集とポストカードを数枚買ってその場を後にする。








外を歩きながら、「あれは一体なんなんだろう」と考え続ける。


帰宅後、写真集に綴られた彼女の言葉を読みながら、世界中を旅して来たその記録を眺めていく。

そこからじわじわと伝わって来たのは、やりたいと思ったことを行動に移すパワーや、誰がなんと言おうと旅が好きなんだという、好きなことを信じるエネルギーの大きな塊そのものだった。

誰かに見せるためじゃない、自分のために撮った写真の数々は彼女の切実な思いで溢れている。

SNSが蔓延する現代において、誰にも見せる予定がない写真をフィルムやデジタルで大量に記録し続けている人が、一体どれくらいいるのだろう。きっとそれらは現代における主流の旅行写真ではない。しかし、何かがおかしくはないだろうか。もともと旅行写真というのは私写真であり、ほんの数十年前までは誰もが自分のために、記念に写真を撮っていた。シェアがあるとすればその旅行に行っていたメンバーに焼き増しして配るくらいだろう。旅のお土産の別形態が旅行写真だったのではないか。つまりそこに見ず知らずの他人が入り込む余地はない。初対面の人の家で家族のアルバムを見せられて困惑しながら適当な褒め言葉を並べるかのような疎外感は、写真の持つ「わたくし」性の限定された力だろう。

旅行写真とは、一体なんだったのか。

一切のSNS映えの要素がない松本智秋さんの写真には、いわゆる「映える」写真の何倍も惹きつけてやまない力があった。









展示は1月26日まで。
詳細は公式サイトでご確認ください。

https://www.art-eat.com/











Something came across cleary in my head.

I couldn't stop thinking about that.

But I didn't know that reason and I couldn't express it by my words.

I saw the works desperately, because I wanted to know about the big bell in my mind.

Sometimes I'm spopken by gallerist, "Are you a friend of this artist?" or "Are you an artist?".
It may due to my seeing the works so seriously.

At such times I say that I'm one of an art love with my modest little voice...
When I spent my OFF, I can't say something good things and I'm shyness...

When I met some gallerists who knew each other, I could say something with smile and we could talke many things about the works and the artist...



By the way, the works about I said first in this page.
The photography show was so good by Chiaki Matsumoto who loved her trip all over the world,
She took her experience and her meal in the trip.

She did that for only herself.
For a long time ago, we might have taken some photos like her.
But now, we has been invaded by internet world, SNS. Many people take many photos for tap on "LIKE" icon.

I thought about these phenomenon and many "beautiful" or "tasty" photos on SNS and about Chiaki's straight photos.
What is the travelers' photos? And what is the travel itself?

Chiaki's works were so strong and I loved her works and life style.

Please look at "Bakurocho Art+Eat" official web site.↓
https://www.art-eat.com/


コメント

まりちゃん小説書いてみても良いかもね!(*^^*)

なんかまりちゃんの文章読んでてそんな気がふとしました!

文豪になれるかもね!(*^^*)

醤油らーめん 2019年01月15日

確かに最近は人に見せるための写真を意図的に撮影してることが主流になってますね。
自分は、自分にとってとっておきの写真は人に見せたくない、自分だけで楽しむ性格なので、人に見せる写真はいつもお気に入り2番目より下位のものということになります。
銀鉛写真時代は写真のフィルム1コマ1コマを大切に撮影してましたが、現在では撮影、削除が容易になったことで、メモ代わりに使える時代、便利になったことはいいですが、

Kyo 2019年01月13日

確かに、ちょっと仲良くなった会社以外の知り合いには、学校の先生や弁護士さん、お医者さん等によく間違われるので、作家さんと間違われる、まりさんの感じ、とってもよく分かります(笑)。そして、同じように、ささやかに「会社員です。」と答えるようにしています。

みーまる 2019年01月12日

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