初日

恵比寿にある
MEMさんで始まった

澤田知子さんの展示に行ってきました。

タイトルは


「影法師」


影、ではなく、影法師

影の一文字だと物体、建物、植物などから伸びる影も指し示すことができますが、影法師となると人間から伸びる影を指し示すから、という理由で
影ではなく影法師というタイトルになっているそうです。
しかも日本語タイトルがつけられるのは珍しいとか。

澤田知子さんはセルフポートレートの写真家さんとして有名な現代アーティストで、
他者が勝手に抱く見た目による印象と現実とのギャップとは何なのか、その不可思議な違和感に挑み続けて作品を発表されているように思うのですが、
今回はなんと写真作品ではなく動画作品のみの発表。
新作1点と、過去作1点が展示されています。

これまでにも様々なグループ展で澤田さんの作品を拝見してきました。澤田さんの作品は非常に特徴的かつとてもインパクトの強い作品ばかりで、一度見たら忘れられない作家さんなのですが、
今回の新作は彼女のトレードマークともいえるご自身の顔が一切登場しないという挑戦。

人はどうやって、そしてどのように、他者を認識するのか。

もっと進んでいくと、何をもってしてそれが人間であると判断しているのか。

そんな疑問を投げかけてくれる新作です。

そして深い問答があるだけではなく、映像そのものとしてのお洒落な雰囲気や洗練された空気感も併せ持っている作品。

進化を続ける澤田さんの最新作、必見です。


展示は今日がオープニング。
今月しばらく展示期間があります。

ギャラリーは恵比寿にあります
詳しくはこちら

MEM
http://mem-inc.jp/



アート鑑賞
2018年の363件目
12月の1件目
でした。







そして

同じ恵比寿にあるMA2 Galleryさんへも立ち寄ってきましたよ。

ここではいまグループショーが開催中。
参加作家は
小瀬村真美さん、関根直子さん、手塚愛子さんの3名の作家さんです。

小瀬村真美さんの作品を今年、原美術館の個展で拝見していて、気になっていたので、
今回のグループ展もぜひ見に行こうと思っていたのでした。

小瀬村さんの作品は映像作品がほとんどでしたが、
日本画の世界が動画になったような作品が美しく、
古典的な絵から小瀬村さん流の動画に変換されていく様子がここでも優しい雰囲気とともに展開されていました。


















絵画、ペインティングを強く意識させ、一瞬、普通の絵かと見紛うこともあるような小瀬村さんの動画作品は、静かな雰囲気が流れながらも、常に動き続ける現実の時間の縮図が展開されていたり、
それは動画作品であるにも関わらず、「静止画なのに動いている!」という謎の違和感を投げかけてきたりして、
これこれこういうものは静止画、ペインティングであるはずという、過去の情報による思い込みから物を見ているのだということを、再認識もさせられます。

こちらの展示も始まったばかり。
お天気が良ければ恵比寿からお散歩しながら行けるかな、という場所です。バスも近くを通っていました。

MA2ギャラリー
http://www.ma2gallery.com/


アート鑑賞
2018年の365件目、12月の3件目でした。



そしてもう一つ、本日が初日だった
宮崎光男さんの展示へ。
場所は白金高輪の児玉画廊さん。
私はウォーキングがてら恵比寿方面から歩いて行ってきました。


初めて作品を観る作家さんですが、
日本画に使う岩絵具を主に使っているそうです。
岩絵具は鉱物独特の色合い、キラキラした反射もあったりして、アクリル絵の具、油絵とはまた違った美しさがありますね。










面白かったのは、本来古典的な絵画であれば修復の対象となるであろう絵の具のヒビ割れなどが、効果的に絵に組み込まれている点です。

不思議なもので、ルネサンス期などの作品でひび割れている部分があると歴史を感じたり、剥がれる前に綺麗に修復されるといいなあとか思ったりするのですけれど、
宮崎さんの作品で同じひび割れを見ても、
あ、なんか、カッコイイ
と思ってしまうんですよね。

同じひび割れの現象なのにね、不思議。

画材の特性を知りつくした宮崎さんによる現代アート。抽象画でありながらも、単にわかりにくいとだけで一蹴されないような軽やかな美しさとカッコ良さがある作品たちでした。

児玉画廊さんは、すぐそばを交通量の多い道が走っているような都会のど真ん中なのに、とてもひっそりとした場所で、落ち着いて作品と触れ合えるステキなギャラリーさんです。



児玉画廊
http://www.kodamagallery.com/index_jpn.html





アート鑑賞
2018年の366件目、12月の4件目でした。


そんなこんなで
展示初日を2件観に行くことができて良かった!

















I could go to some exhibitions in their Opening Day! Tomoko Sawada's solo show was good. She presented her new movie work titled "Kageboshi" .
It means "shadow" or "silhouette" by human in Japanese. Her works ask me how do I judge about
another people if I meet them in the first time.
Perhaps, I will watch their faces, clothes, and hear their voices and selected words. My judgement of the first sight may be wrong one. Tomoko Sawada expresses these appearances with her own face by taking her self-portrait as photos. In her new work is not photo. She expressed her thought using a short movie.


And next I went to MA2 Gallery to see Mami Kosemura's works. I saw her works in this year at Hara Museum on her solo exhibition.
Her movies look like "still life painting" and "portraits by old style". I realize my conviction from my old visions in my memories which were stocked from museum exhibitions or visual books about art history.












And another Opening Day was Mitsuo Miyazaki's solo show at Kodama Gallery(Shirokane-Takanawa,Tokyo).
He paints with mineral pigments used to Japanese Paintings.
Painted textures were cracked. But these cracks were cool expressions.


コメント

どれも個性的で面白そうですね。
影法師が特に見てみたい気持ちになりました。

Kyo 2018年12月02日

おおっ、3件も見たのですね。そして、今回もいろいろな学びがあったようで、本当によかったですね。

みーまる 2018年12月02日

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