最近行った写真の展示あれこれ

最近みた写真の展示で好きだったものをいくつかピックアップ。



今年の春に京都で開催されたKYOTOGRAPHIEでの展示のいくつかが、いま東京でのサテライト展示ということで開催されています。

その中で、

KG+Award2018にてグランプリを受賞された
顧 剣亨(Kenryou Gu)さんの作品展
"Utopia"「ユートピア」
はとても素晴らしい作品でした。






私はだいたい展示を見るときに、まず作品を観て、
そのあと作品のステートメント、作家のプロフィールや様々なキャプションなどを読み、
最後にそれらの文字を踏まえてもう一度作品を観る
という3ステップで鑑賞することが多いのですが、

顧さんの作品は、最初作品を観たときには正直あまり強い感動などは受けず、さらっと次々と展示のプリントを観ていたんです。
けれど、壁に日本語と英語で掲示された彼のステートメントを読み、その明確さにハッとさせられ、
再度作品を見直したときに、衝撃を受けました。

彼は自分の中で見つけた、無視して来たもの、そして現代社会における個々の中にしかないユートピアに気がつき、その隙間にあるひずみや、無かったことにされている何かを、掴み取り、提示しようとしたのです。

現地を歩いていたら記憶にも残らないような景色。
それを見つけて撮影しているのですから、
作品となった写真を観ただけでは、その1枚から強い印象が飛び出すわけもなく、強い何かが無いことに価値があるものだったのです。
そして群として作品を何枚も観ていくことで積み上がる、全く別の種類の強さが忍び寄ってくる作品でした。

彼の自身の中から沸き起こるものを形にしたという明確さは、アーティストとして当たり前のことのようでしかし素晴らしく、次の作品が楽しみに感られるようなワクワクする気持ちを私にもたらしてくれました。

ステキな作品に出会えると、その日一日へとへとになって疲れていても、ここまで探しに来て本当に良かった!という気持ちになりますね。この出会いがアート鑑賞の面白くて楽しいところの一つでもあります。


表参道からも比較的近いGALLERY WATERさんで開催中の展示。こちらはまだ始まったばかりなのでもうすこしの間観られるかなと思います。


GALLERY WATER
https://www.gallerywater.com/

アート鑑賞2018年の324件目、11月の64件目で観た展示でした。



続いては展示は終わってしまったのですが
すごく気になった作家さんが
石場 文子(Ayako Ishiba)さん。






大学では版画の勉強もされていたようなのですが、
こちらは写真作品。最近は写真を使って表現されることが主なようです。
物体に直接黒い縁取りをして、それを撮影したというシリーズ。物の奥行きの感覚が揺らぎ、不思議な雰囲気です。
写真という平面に表現されているのに、人は勝手に写っているものの奥行きを想定しながら観ていて、それを平面的に提示されると違和感を覚えるという、なんとも不思議な問答のような作品。
人間の視覚と認識というものについて、改めて考えさせてくれる作品でした。

場所は白金高輪にある児玉画廊さんにて。

児玉画廊
http://www.kodamagallery.com/index_jpn.html


アート鑑賞2018年の317件目、11月の57件目でした。



最後は建築の写真から。

東京都写真美術館で現在開催中の「建築×写真 ここのみに在る光」展では著名な写真家たちが有名な場所や建築家が建てた建造物を撮影する、というグループ展形式の企画展です。

どの作品も素晴らしいものばかりでしたが
中でも一際惹きつけられたのが、二川 幸夫(Yukio Futagawa)さんの『日本の民家』からの数点のプリントでした。

なんの予備知識もなく観ていたのですが、後から二川さんがなぜこの民家の写真を撮ることになったのかなどをいくつかの文章で読み、本当に民家を愛して止まなかったのだなと思いました。
写真集としていくつかの形で出版はされていますが、それらを見ても全く伝わってこなかった民家への喜びや、民家への愛、その建物がたまらなく好きで、撮らざるを得ない情熱という力が、プリントからは溢れ出ていました。
と言っても、決して作為的に情熱的な写真になるように仕向けているわけではないのです。
ただ、淡々と民家にカメラを向けているだけ、なのですが、そこから溢れ出るものは止めようがない、といったものなのです。

茅葺き屋根、土間のある家などという、今で言うならば「古民家」と呼ばれる保存されているもののような家々が写っているのですが、これほどまでに熱い民家の写真を私は観たことがありませんでした。
いつかプリントをお家にも飾れるといいなあ。
それくらい夢中になった作品でした。


東京都写真美術館
https://topmuseum.jp/



こちらはアート鑑賞2018年の328件目、11月の68件目でした。


ラストは再びKYOTOGRAPHIEの東京展示から。

原宿のBLOCK HOUSEにて展示中の
リウ・ボーリン(Liu Bolin)さんの展示です。
こちらはリウさんがRuinartという酒造メーカーさんがアーティストを招聘しているプログラムにて、実際にお酒が作られている場所まで行き、10日間で9枚を撮影したというシリーズ。

説明を読むまでは、ちょっと面白いだまし絵のようなことを写真でやったのかなあと思っていたのですが(それだけだとしてもすごい技なのですが)
リウさんがこの作品を作った理由を読み、深く納得させられました。
このお酒作りをこの場所で脈々と受け継いで来た多くの人々。誰もいないはずの工場や農地に立った時、ふとその人たちの存在を感じる。
そんなことを写真として、伝えているのです。

まさかの人間に直接ペイントすることによって。


一瞬、どこに人が写っているのかわからないものも。








撮影に使われた衣装も展示されていました。
撮影している様子を映像でも紹介していて、どんどん人にペイントされて、背景に溶け込んでいくんです。
プリントの質も高く美しい。
原宿のすぐそばなのに裏通りで喧騒からは離れた場所で、ひっそりと開催されているこの展示。
あえて観に行って本当によかった!

展示の紹介はこちら
https://www.kyotographie.jp/exhibitions/10-liu-bolin/

こちらはアート鑑賞2018年の341件目、11月の81件目でした。


11月は観たいものが目白押しでこんな数になってしまいました!これでもまだ行ききれてないという😅
隙間時間でもちょいちょいとアート鑑賞していきたいと思います💕ほんと楽しい😆✨

















I saw some photographer's exhibitions in this month.
I found some good works👍.





Kenryou Gu winning photographer at KG+Award2018 was presented "Utopia" at GALLERY WATER.
His statement was so cleared. I love this work.
Although the works didn't show the strong images, that was very important thing for this
work. He found some ignored things in this world.
I want to see another his works too!






Next I saw Ayako Ishiba's photographs at Kodama Gallery(Shirokae Takanawa,Tokyo).






She studied screen prints at University. But now she mainly uses photographs as her expression.
I felt some fluctuations in her works about perspective which we had been expected uncouciously. It's intersting.

I also went to TOP Museum in Ebis(Tokyo).
I saw Yukio Futagawa's "MINKA" on prints.
It's amazing works!!
I want to buy these prints if my wallet and the situation allows!
It's not passed down from his photobooks.
You should see these PRINTS!








And today's last show was interesting photographs by Liu Bolin.







He tried to express about people who working in these area at Ruinart.
These works were not mere "Trompe l'oeil".
He expressed some people's indications and history in this place by painting and shooting some works.

So, all of these works were nice. I highly recommend you to see these works.


コメント

アートは、幅も奥行きも広い世界であることを知ることが出来る話でした。。。

みーまる 2018年11月27日

素敵なアートの数々ですね。
作品だけだとその作者の意図を誤解釈してしまいがちですよね

Kyo 2018年11月27日

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