文学の森から智者をたどる

文学の森では「三島由紀夫文学館」と「徳富蘇峰館」に行ってきました。


【三島由紀夫文学館】
 三島由紀夫に関しては尊敬する日本の作家なので、かねてより誕生から死没にいたるまでの人物像、経歴、作品のほとんどを知っているつもりでしたが、文学館は行ったことがなかったので訪れました。書籍のなかに掲載された肉筆写真や公私にいたる活動写真は見たことがあったのですが、実体として形あるものを眺めるのは初めてのことです。
 作品に触れると仔細な描写、緻密な構成、するどい感覚意識の過敏さは非凡な才能に溢れ、圧倒されるものですが、私は三島由紀夫はどんな作家よりも人間味を感じ、生身の感情を抱え、古典的な美意識と洗練した思想を持つ現代的な人という印象をもっていました。端正な字で埋められた原稿用紙の文字からは、その天才作家の華麗な文章だけでなく、修正の跡からはときには苦悩が伺えるものもあります。肉筆の展示資料を見ていると人間的な部分が透けて見えるようで親しみを感じました。
 達観し熟れ過ぎた目を持ったことで、肉体をはるかに超えた精神が、死と生に苛み、そこに宿る美を見ていたとしたら、最後に見えたのは悲嘆ではなく自意識への忠誠だったのかもしれないと思いました。三島の後年の膨らむ政治論や社会思想、自決にいたるまでを知るほどに、三島の作品「豊穣の海・奔馬」に登場する青年、勲の姿と重なるのでした。

【徳富蘇峰館】
徳富蘇峰については、知識がなく行ってみたので、受付の方がはじめにDVDを観てから展示を見ると良いと勧めてくださいました。というわけで、まずはじめに蘇峰の生涯をまとめた15分のDVDを鑑賞してから見ることにしました。
 徳富蘇峰は、20代半ばで国民新聞を発行した新聞記者であり、歴史家、言論人、思想家です。驚いたのは幼少期からの優れた学識です。世の中への飽くなき興味は、広い視野を育て、人格者として真っ直ぐに成長していったことが伺えます。
 蘇峰の人並み外れた知力と執筆への情熱は晩年まで続きます。「近世日本国民史 全100巻」をはじめ90代でこの世を去るまでに約360冊超の本を執筆しました。
一人の人間が書き上げたとは思えない程の膨大な知識を注ぎ、生涯を通してジャーナリズムに徹し、人々のために日本の歴史を書き続けたのだと思います。並々ならぬ情熱と熱意を持って日本の史実をこの世に残すという素晴らしいことを成し遂げた偉人です。
さらに展示では、徳富蘇峰が山中湖で執筆に励み、日課として富士を眺めながら湖畔をよく歩いたことや孫たちを特別可愛がる様子を知ることができました。

先人たちの人並み外れた知力と才能に感銘を受けました。先人の生き方というのは何よりも私達の道標となり、師となります。
彼らのように立派には生きられなくとも、せめて日々の出来事や世の中をしっかり見て、豊かに、美しい時を刻めるように人生の歩みをすすめていきたいと強く思わせてくれました。


せっかくなので、文庫も購入しました。
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コメント

多くの刺激を得た日だったのですね。。。

みーまる 2018年11月14日

ふたりの偉人に触れて色々勉強にもなったね!(*^^*)

醤油らーめん 2018年11月14日

三島由紀夫と言えば



おじさんの世代では まだ文学的な記憶はない状態で このニュースがあり そちらの印象の方が大きいよ その後色々な文学を知り 文豪家だったんだ と印象が残るようになったけど このニュースが強烈すぎたからねぇ

なみへいオヤジ 2018年11月14日

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