最近読んだ本のあれこれを
すっかり書いていませんでしたが
『ツバキ文具堂の鎌倉案内』出版記念原画展
が、手紙舎鎌倉店さんでやっていたので観に行き、
原画を描かれた素描家のしゅんしゅんさんの作品が素敵で
『主の糸』nushi no ito
というしゅんしゅんさんの素描Bookを買いました。
この本はしゅんしゅんさんが、ここぞと思うお店に行き、そのお店を素描し、言葉も添えてまとめた1冊。
丁寧な暮らしとお店、そこに集う空気が優しく香る一冊です。
もともと建築のお仕事をされていたとのことで、スケッチも建築で使われる描写の雰囲気があり、面白いです。
添えられた文章からも、ゆっくりと流れる空気感が漂い、ほんのりと幸せな気持ちにさせられます。
ここで紹介されているお店は関東が多いものの、西へ東へ、全国様々。
陶芸家の寒川義雄さんのお店が出てきてびっくり。
実はうつわ祥見さんで作品を以前見ていて、素敵だなあと思った作家さんの一人だったので。
寒川義雄さん
http://utsuwa-shoken.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=2054158&...
しゅんしゅんさんは年内に関東で展示があるようなので、それも観たいなあと思っているところです。
挿絵としての素描ではない作品も気になります😍
しゅんしゅんさんが今回挿絵を担当されている
『ツバキ文具店の鎌倉案内』(幻冬舎文庫)も読みました。
もともとは小川糸さんの同名の小説から生まれたもの。こちらの小説も大好きな作品で、鎌倉のリアルな日常が溢れた本なのです。
小川糸さんの小説の方の続編は実はまだ読んでいないので、あれこれやるべきことが落ち着いたら自分へのご褒美に、ゆったりと時間を作って読みたい!
つづいて片桐はいりさんの『グアテマラの弟』(幻冬舎文庫)
グアテマラでは知らない人はいないというほどの最大かつ最もメジャーな語学学校を運営する片桐はいりさんの弟を、遠路はるばる片桐はいりさんが訪ねて行った話や、
逆にグアテマラのお嫁さんを連れて弟が日本に帰国した時の話など、
彩り豊かに描かれた楽しいエッセイです。
はいりさんはここで最後に
コーヒーにはまるのですが、
自分が行ったことがある国のコーヒーだとなおさら、いろんな思い出とともに香りが立ち上って、いいんだろうなあと思いながら、
私はちょうど家でルワンダのコーヒーを飲んでいたのでした。
そういえばこの本を買ったのは旅行の本をたくさん取り扱い、猿田彦コーヒーが飲めるお店だったのです。
予想していませんでしたが、最後にコーヒー繋がりもあったという☕️
この本を買った時はたしか、ボリビアのコーヒーを飲んでいたはず。とってもフルーティーで軽やかなコーヒーでした。
コーヒーの味も好きだけれど、そこからその国について調べてみたり、興味をもったりする面白さが、私にとってのコーヒーの魅力のひとつかな、と最近思います。
さてつぎ
『辺境を歩いた人々』(河出文庫)
宮本常一さんの著書です。
この本では
近藤富蔵
菅江真澄
松浦武四郎
笹森儀助
の4人について、彼らの業績をわかりやすく紹介しています。
もともと、若い世代に向けて書いた本だったのか
「少年少女のみなさんは〜」みたいな文体なのですが、
とてもわかりやすく端的に書かれていて、読みやすい本です。
菅江真澄という名前はどこかで聞いたことがあるような、、、と思っていたら
それもそのはず、東北も歩いて調査していて亡くなった場所は秋田県の角館。そして菅江真澄の記録していた貴重な日記は、当時の秋田藩の学校であった明徳館へ寄贈されており、今も大切に保管されているのだとか。
明徳館といえば、小さい頃よく通った思い出深い場所。私が小さかった頃は学校ではなく、図書館になっていました。なので「図書館にいく」とは言わず「明徳館にいく」と言ってたんですよね。いまだに「明徳館」という言葉は脳内で「図書館」と自動変換されます。
正式には秋田市立中央図書館明徳館、というようです。
https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/shakai-shogai/100846...
その他、紹介された人物
近藤富蔵は訳あって八丈島に流された人ですが、
こちらも、八丈島へは何度か行ったことがある私としては馴染みのあるお名前。
笹森儀助は2代目青森市長だったこともある人物で北は千島、南は琉球に台湾と、かなり広い範囲で活躍した方。
そして今回、この本を読むきっかけとなったのが
松浦武四郎。
「えぞ図」を徒歩の調査を駆使して作り上げ、
北海道という名前の名付け親でもある人物です。
現在、静嘉堂文庫美術館ではこの松浦武四郎についての展示が行われており、
http://www.seikado.or.jp/exhibition/index.html
会期中にぜひ観に行きたいと思っているのですが、
今年は松浦武四郎の生誕200年に当たる年であると同時に、北海道と名付けられて150年という節目の年でもあるとのこと。
日本の地図を作るために貢献した、となると
学校の歴史の教科書レベルでは間宮林蔵や伊能忠敬くらいしか出てこなかったりするわけですが、
実はもっともっとたくさんの人たちが、探検し、測量し、記録していたからこそ、日本の地図が出来上がり、様々な土地の特色やそこでの暮らしが具体的に知られるようになっているわけなんですね。
決して派手な活動ではなくとも、絶対に欠かすことのできない重要な記録をし、発見をしていた多くの先人たち。
この本で触れられているのは彼らの活動のほんの一部に過ぎませんが、出会えてよかったなあと思う一冊でした。
さて最後は
『ZEN』
spectatorという雑誌の特集。
根津美術館で開催されていた
「禅僧の交流 墨跡と水墨画を楽しむ」を以前観に行ったのですが、
http://www.nezu-muse.or.jp/sp/exhibition/index.html
日本美術を観ていると出会う確率も高い禅僧が残した絵や文字の数々。
最もメジャーなところでは雪舟でしょうか。
絵を描く禅僧。そしてそこに賛という文字を書く僧(僧でない場合ももちろんありますが)。
今回の展覧会では数々の禅僧たち、師弟関係にある間で交わされた文字などが展示されたわけですが、
そこから墨跡だからこそにじむ心や雰囲気をとても魅力的に感じ、禅僧とはどんな人たちだったのだろうかと興味を持ったのです。
鈴木大拙はあまりにも有名ですが、
spectatorの特集『ZEN』では
禅とは何かについて簡単に触れながら、
アメリカに禅がどのようにして広まって行ったのかに焦点をあてて、様々な人へのインタビューも交えながら、わかりやすくまとめられています。
師匠と弟子のとても重要な関係や、
修行の途中でその苦しさのあまり発狂死してしまった僧もいたというのも知り、
そしてなんと言っても現在住む場所の身近な建長寺や円覚寺にはもともと中国の高僧 無学祖元がいたという事実からも、ますます興味を持っている今日この頃なのでした。
根津美術館の展示では無学祖元の墨跡も見ることができました。禅についてもほかの本も読んでみながら、また美術鑑賞もしていきたいと思います。
そんなこんなで
読書については2018年の111冊目から115冊目
10月の4冊目まで。
アート鑑賞については2018年の231件目、10月の1件目までのお話でした。
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おまけ
おいなりさんが気になって仕方がない犬🐶🐾😋
I read some books about some art works like ZEN.
I went to an exhibition by Shunshun who is drawing by black or blue ink. And I bought his art zine. He.drew some cuts for some novels. These stories' field were Kamakura city. He showed his drawing works at Kamakura too.
And I went to the exhibition about painting and calligraphy with Chinese ink called "Suiboku-ga" and "sho" in Japanese. It's about "ZEN-ga". I read the book about ZEN. I want to read more books
about ZEN. D.T.Suzuki is well known as ZEN
master.
おいなりさん、確かにおいしそうですね、、、それはさておき(笑)、今回もいい本をたくさん読みましたね。また、辺境を~、は、私も読んだ記憶があります。そして、生まれた土地以外で住むのも、また住むところをいろいろと変える人生もいいのではないかと思いました。年をとると、なかなかそのような機会はありませんが(笑)。