河井寛次郎@パナソニック汐留ミュージアム

美術館やギャラリーでは立体的な作品も最近はいくつか観に行く機会があり、

「河井寛次郎展ー過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今ー」

を汐留にあるパナソニック汐留ミュージアムで観てきました。

いくつかの作品を除いて撮影が可能な展示会でしたのて写真多めでご紹介します。

河井寛次郎については「用の美」で陶芸をした人くらいの、あるんだか無いんだか分からないレベルの予備知識しかなく、
まあでも最近、柳宗悦関連にも興味が出てきたし、気になるので、とりあえず観に行ってみよーう!というノリで立ち寄りましたが、
とても素晴らしい展覧会でした。


初期の頃の作品では
青緑色と独特の赤茶が混ざり合う作品が面白く、



↑《青瓷鱔血葉文花瓶》




特に《青瓷鱔血文桃注》などは初期の代表作とも言われるものだとか。




↑《青瓷鱔血文桃注》

ふんわりとした独特の色の変化が優しく、
つるりとした表面の質感とのバランスが絶妙ですね。

「青瓷鱔血」というのは、ベースとなる青磁に、辰砂という金属の銅を使ったもので、河井寛次郎本人が名付けたもの。とても難しい技法で、釉薬の研究を重ねた成果のようです。






他の作品に比べると派手さはないものの、
ひときわ強い作品だと感じたのは硯。




↑《黒釉水滴付陶硯》


解説文を読むと
この硯は昭和11年、1936年、河井寛次郎が46歳頃の作品で、
実はこの昭和11年頃に、河井寛次郎は硯にものすごく熱中していたようなのです。
とにかく次々に硯を作りまくったらしく、その異常なほどまでの陶硯制作への熱中ぶりは柳宗悦もその著書で書き残している程。

墨をする時に使う水入れも作っていて、こちらも美しい。この《筒描文水滴》も同じく46歳頃の作品です。


↑(左)《黄釉陶硯》, (右)《筒描文水滴》

隣には少し後の時代、66歳頃に作られたと思われる硯《黄釉陶硯》も並んでいました。







書道の習慣はないけれど、こんな硯だったら自分用で使ってみたい。

古くから伝わる道具には
美しさと、使いやすさの
両方が兼ね備えられているものも多いですね。

小学校の書道の時間は、いつもあちこちの席から墨が飛んできて服が汚れて嫌な思い出しかないのですが、本当はもっともっと静々とした奥の深い文化なんだよなあ、、、





展示全体では、河井寛次郎の作品の変遷が分かるように組み立てられ、初めて作品を見る人にも分かりやすいようになっていました。予備知識のあまりない私でも楽しむことができましたよ。

晩年に向かってどんどんと独自の装飾性が出てきて、
その変化を追って行くのも、とても面白いです。





木の作品も自由で、愛嬌のあるものも多く、
作品だけではなく、
気に入らないものは一つも家には置かなかったという彼の精神に共感し、心地よい美しさを感じました。


日常的に使うものこそ、こだわって、お気に入りの一品のみで構成する暮らし。
私もこの展示を見ながら、気持ちも新たにこれからもそこを追求しつづけようと思いました。

河井寛次郎が暮らしたところが記念館となっている場所も、とてもステキなようなので、いつか行ってみたいなあ。




I went to a retrospective exhibition for Kanjiro Kawai who was a ceramic artist. He said "Yo-no-bi" with some people living in Kyoto. He made many beautiful potteries and wood works.
He was well known with his later works which was designed little loudly, but his early works were good too. l liked his "seijizenketsu" which was referred by himself using a red-copper with celadon graze. I loved his pottery ink stones too.
He made these many ink stones on his particular year intensively.
In Japan, we had a class for "Sho do" which writing with ink when we were childhood. But I hated this class because many boys spreaded black ink on many classmates' clothes. So I couldn't continue "Sho do", but it might have a great cultural power.
He didn't use any items which he couldn't agree it.
I love this thought. I want to go Kanjiro's Memorial Museum at Kyoto too!

コメント

書道は、子供の頃、習っていたので、このような芸術作品は、仮に持っていたとしたら、もったいなくて、使うことが出来ないと思いました。また、河井の作品は、どれも素晴らしいので、今後も機会があれば、ぜひご鑑賞下さい。きっと、よい感性が磨かれることと思います。。。

みーまる 2018年09月22日

とても素敵な作品の数々ですね。
素晴らしいものはやはり趣がありますね。

Kyo 2018年09月22日

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