大岩オスカールさん個展「光の満ちる銀座」@東京画廊+BTAP

大岩オスカールさんの個展
「光の満ちる銀座」
に行ってきました。

場所は銀座の東京画廊+BTAPさんです。

銀座の大通りからも近く、いつも人も車も多く行き交う賑やかな街にもかかわらず、
いつ来ても静謐な気持ちへとリセットさせてくれ、じっくりと作品と向き合えるギャラリーさんです。


大岩オスカールさんの作品をしっかり観るのは初めてですが、前々から気になっていた作家さん。
10年ほど前に日本の美術館での巡回展も行なっていたようで、その時の図録を、これまた私のお気に入りの古書店、books mobloで見つけて、
合わせて読んでみました。









大岩オスカールさんは1965年、ブラジル生まれ。日系ブラジル人二世なのだそうで、彼の文章の中にはご両親がブラジルに来た時の話や、日本にいたお祖母様の話なども時折出てきます。

決して劇的な何かを声高に主張する雰囲気の方ではなく、
それは文章にも絵画作品にも明らかで、
かといってホワホワしただけかと言うと全くそうではなく、

内包された沸点

という印象を受けました。


そこに何か、力強いエネルギーはあり、確実に爆発しているのだけれど、
大岩オスカールさん流の調理によって、実にエレガントに描き出されています。

彼の文章は淡々としていて、
強い感情的なものではないのですが、
作品とともに極めて重要なものである気がしました。

それはまるで、絵本の世界のように
鑑賞者が直感で受け止めようとする視覚的な絵と、
読み手が理論で測ろうとする文章の
どちらも同時進行で、鑑賞するべきもののように思えて来たのです。

これは決して、ビジュアルイメージが弱いということではありません。

彼の作品は、彼のストーリーそのものである、とでも言えば良いでしょうか。

そう考えていくと
作品を発表していることそのものが、
彼の「生きているということ」であり、しいては「彼そのもの」全体を示しているのでしょう。

今回展示販売されている8点のうち6点が2018年の作品、1点は2017年、そして1点は2015年の作品です。
大型の作品もあり、今はまだ2018年の夏。
これだけの仕事量を、1枚1枚から溢れんばかりのエネルギーで描いて来た大岩オスカールさん。おそるべしです。

他の作品は図録で見ただけですが
圧倒的にこれらの新作は素晴らしく、
10年前の時点で美術館での個展としての巡回展も出来て、その時点で既にキャリア20年という美術家であったにもかかわらず、そこから10年かけてさらに今、進化し続けている。やはり大岩オスカールさん、おそるべし。

この後またどんな進化をしていくのか
楽しみで仕方がないです。


展示を見終わって、
1日経って
3日経って、

なんか後からじわじわくる魅力。


ギャラリーさんからのリリースに
「風景のほころびから垣間見える社会の多面性を」
という、
彼が何を描いているのかを説明した文の一部分があるのですが、
このフレーズに、
「ああ、まさに」と強く納得させられました。











東京画廊+BTAP
http://www.tokyo-gallery.com/


大岩オスカール「光の満ちる銀座」
http://www.tokyo-gallery.com/exhibitions/intokyo/post-420...



ということで
アート鑑賞
2018年の154件目
8月の7件目でした。


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I went to the Oscar Oiwa's solo exhibition at Tokyo Gallery +BTAP.
I saw his works at the first time. On this show, he presented his new works. I read his catalog for his past solo show at some famous museum in Japan. It was held about 10 years ago.
His new works drawn in this year were very strong works.
And I felt that we had to read his texts too.
His painting are containing many dark power, but we’ll not be able to see it simply on the surface. It’s important to see and read his painting and texts at the same time to understand his art works. Because his works are his life and himself.
His life is his art itself.
These are not sensational things. But you’ll bring his works to mind for a few days. It will tell us slowly, but surely.


コメント

事務所のお名前のような、親しみが持てる作者のお名前ですね(笑)。きっと作品も親しみが持てるものだったのでは、と思っています。。。

みーまる 2018年08月29日

色彩が優しいタッチでいいですね。
飽きのこない印象を受けました。

そうそう
花房里枝さんが11月に「神社エール」という舞台の主演が決まりました。
前回と同じ劇団ズッキュン娘さんで、吉祥寺シアターで公演される予定です。

Kyo 2018年08月29日

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