「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」展と
「抽象の悦び コレクション展」
を合わせて観てきました。
場所は神奈川県立近代美術館葉山館です
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
ブルーノ・ムナーリについては
名前は知っていたし、作品もなんとなくは知っていたけれど、それって全然知らないに等しいわけで
前々から気になっていたので観てきました。
彼が生涯、どのように作品を作り、
どのような形として提示してきたのか、
その変化もよくわかる展示で、作品点数も多く
見応えがかなりあるボリュームある展示でした。
なんとその数、約320点。
そのうち約150点は日本初公開だとか。
ブルーノ・ムナーリは
モビールで有名なアレクサンダー・カルダーを連想してしまいがちで
本人もそのような問いを受けることもあったようでしたが、
本質が異なり、そのあたりも展示から感じ取ることができました。
そもそも、ブルーノ・ムナーリはなぜそれらの作品を『役に立たない機械》というタイトルにしたのか。
それは彼が生活していたイタリアの工業が盛んな環境との関連も無視できず、
デザインとは何か、ではそのデザインが適応された機械とは何か、
社会に満ち満ちた工業化の香りに、
反発まで強い政治意識ではなかったにせよ、そこから何かが生まれたのだということは、間違いなさそうなのです。
アート作品としての提示なのか
自分が今生きていることから漏れ出た物体としての提示が作品という形をとったものなのか
その違いはとても大きいように思います。
展示室内では
次から次へと繰り広げられる
ブルーノ・ムナーリの柔軟な発想に
にんまりさせられたり、目を奪われたり、
ひとつひとつじっくりと観ていたら時間もあっという間に経ってしまい、夢中になって観ていました。
彼は、特にそのようなことを言っているわけではないのですが、
物の価値、誰がが決めた社会に存在する使い古された物差しが、必ずしも良いとは限らないということを、
考え続け、提示し続けた人なのではないかというのが
展示を見終わった時の私の個人的な感想です。
それはこれから先の未来を生み出す子供達へのワークショップ、子供向けの本や教材などにもしっかりと表れていたように思うのです。
私が子供の頃に、こんな大人が身近にいてくれたらなあとつくづく思います。
自由であることは本当はとても難しい。
ふと気を抜くと、周りの基準を自分でも使い始め、その中に埋もれてしまう。その方が楽だから。その方が安心だから。時代によってはその方が身の安全が保たれるから。
でもそれでは、なにも生まれない。
可もなく不可もない時間が過ぎ去るのみ。
本当に自分はそれで満足なのだろうか。
けれど、自由は本当に難しい。
ムナーリの子供のための教育には
大人の価値を押し付けない、羽ばたきの仕掛けが満載です。
私は大丈夫だろうか
凝り固まっていないだろうか
おもねっていないだろうか
自分が良いと思ったことを信じる勇気を
しっかりと持ちなさいと
ムナーリから言われた気がしました。
葉山は逗子駅からもバスでしばらく行く場所なのですがわざわざ行くだけのことはある、ステキな場所です。
お気に入りの美術館のひとつ。
カフェはいつも混んでて、またにしようって思うんだよね。空いているタイミングに当たったら、今度入ってみたいと思います。
海も見えてステキなロケーションですよ。
ムナーリの話で長くなりましたがコレクション展も良かったです。
あれこれと作品に目移りしながら楽しみましたが、結論、やっぱり吉原治良は、凄い。
丸の作品ばかりみてきたけれど、今回は四角。
有無を言わせぬ存在感。
圧巻でした。
というわけで
アート鑑賞
2018年の105件目と106件目
4月の28件目と29件目
でした。
I went to The Museum of Modern Art,Hayama to see the exhibition of Bruno Munari.
This show made me think a lot about thinking outside the box.
The free is difficult things. If we are in a daze carelessly, we may be overwhelmed by the surrounding circumstances.
I must trust my eyes.
And the exhibition for collections were good too.
Jiro Yoshihara's 《Work, White Square on Black》was wonderful piece!
景色のすごくよいところですよね、葉山は。また、某氏のボートの火災は残念でしたが。。。