あれこれ行ったはなし

ほやほやしている間に
なんと4月も終わるではないですか。
全然書き終えないうちに・・・

ということで
まとめて、、、
読んだものやら観たものやら、です。



WAKO WORKS OF ARTさんでの展示

Miriam Cahn "photograhs"

ミリアム・カーンさんは絵画作品の発表がこれまで多かった現代アーティストさんですが
今回は写真展。
絵画と写真をセットにした作品などもあります。

WAKO WORKS OF ARTさんとミリアムさんがメールでやり取りするときに、彼女の暮らすスイスの風景などの写真が添えられている時があり、
その写真がいいね、という話から始まった展覧会なのだそうです。
ということでミリアムさんの写真展は今回が世界初。

彼女は自分の絵画作品を自然の中に置いて
記録としての写真を撮っていたりもしたそうで、
それらの中からいろいろと、今回の写真作品が選ばれたそうです。

今は彼女の手を離れて写真の中にしかない絵画作品もあるということで(世界のどこかにはある)。

彼女についてもう少し知りたくて
以前の絵画での展示の時のカタログと、今回の写真展用のカタログを読んでみました。






『ミリアム・カーン l 私のユダヤ人、原子爆弾、そしてさまざまな作品』(wako works of art)
文章はミリアム・カーンさんご本人のものが掲載されています。

『ミリアム・カーン フォトグラフス』(wako works of art)
こちらはミリアム・カーンさんの文章と、片岡真実さんの文章が掲載されています。

ミリアムさんはスイスのバーゼル出身。
ユダヤ人ということについての彼女自身の言葉を読み、それから作品を観ると、彼女の絵に渦巻く不穏な空気や、独特のタッチから感じられる息苦しさのような強い力に、より一層圧倒されます。

写真作品はどちらかというと
そういう心の奥を掻きむしるような苦しさではなく、
彼女の心の静けさなども表現されているように感じました。

これは単なる勝手な私の感想ですが
彼女に撮って写真はきわめてフラットなものなのかもなと。
彼女にとっての写真というものの位置は、
写真そのものなのか、写真を撮るという行為なのかはわかりませんが、
とにかく写真というものを通し、
いろいろな強いエネルギー、感情に揺り動かされた部分を、
プラスマイナスゼロに調整してくれる瞬間、そういう存在のようにも思えました。


強い感情がそこに存在していたことを認識しながらも、
一歩ひいて、あたかも他人のような目線で見つめる瞬間が、ミリアムさんの写真にはあるのかもしれません。






さて続いて
渋谷区松濤美術館での展示
「チャペック兄弟と子どもの世界 20世紀はじめ チェコのマルチアーティスト」

カレル・チャペックは知っていたのですが
兄弟でしかもお二人とも絵や文章を発表される方だったとは知りませんでした。

しかも今回はその初めて出会った
ヨーゼフ・チャペックの方のさまざまな絵本の原画やスケッチなどをたくさん観ることが出来る展示だったのです。

ちなみに兄がヨーゼフ
弟がカレル。

カレルはなんと
ロボットという言葉の生みの親。
日本語では当時、「人造人間」と翻訳された演劇だったそうで、その資料も展示されていました。

知らなかったー。
ちなみにこのあと立ち寄った古本屋さんで
偶然、このカレル・チャペックの「ロボット」の文庫を発見して買いました。
読んだらまた書きます✨📚


展示は松濤美術館の雰囲気にもぴったりで、
静かな空間でゆったり鑑賞しましたよ。
楽しみにしていた展示だったので実は展覧会初日に行ってきたのですが、
シンプルでありながら素朴な魅力と、独特の色遣いにすっかり魅了されました。
普段あまりこういうものは買わないんだけど
ついクリアファイルを買ってしまうほどでした😅







絵本も大好きだけど
絵本の原画っていうのもいいなあ





さて続いて
最近建築にまつわるドローイングなどが気になっていたところだったので
東京アートミュージアムでの
「セルゲイ・チョーバン 建築ドローイング展 "凍てついた音楽の夢"」に行ってきました。

建築ドローイングは先日のアートバーゼル香港で色々見たことからさらに興味を持ったジャンルだったのですが、いろんなものがあるんですね。
建築家が自分のプロジェクトを実行するための資金集めの意味もあるドローイングだったり、
今回のように実際に建築するものではなく、理想の形を絵にしたという形式だったり。

今回はセルゲイ・チョーバンさんご本人が来日されてのトークショーも聴きに行くことができました。
お話を伺ううちに、建築ドローイングというジャンルはかなり奥が深いものであることが感じられ、ますます興味が湧きました。

セルゲイ・チョーバンさんは日本の和紙にも描いているんです。
建築ドローイングは下書きなどはせずに、いきなりインクで描き始めるそうで、そのあたりはこだわりの点のようでした。

建築と建築ドローイング。面白い。

世界的な美術館でも、コレクションの内容だけではなく、素晴らしい建物である例がたくさんありますね。
建築についてはほとんど無知なのですが、これからいろいろと見て行けたらいいなと思っています。


で続いては六本木&恵比寿界隈

まずは
タカ・イシイ・ギャラリー フォトグラフィー / フィルムにて
吉野英理香さんの個展「MARBLE」

彼女は
たくさん撮り溜めた写真を展示よりはやや小さめのサイズにプリントして、それらを組み合わせている時、
というのがとても重要なようで
そこから写真集としての彼女の作品がとても大切な意味をもつような気がして気になりました。

普段は写真作品だとプリントの方に注目するのですが、彼女の作品を作る過程を重視するならば、群としての作品なのかなあと。
今回の展示は展覧会初日に伺ったところ、写真集の完成が間に合わなかったとのことで(以前出版された写真集は2冊、閲覧することができました)まだ実物を観ることができませんでした。
今回の写真集が完成されたらまた観たいなあと思います。







続いてペロタン東京は
最近あちこちでも話題のKAWSの個展。





ネット上ではたくさん観てきたのですが
実は実物をちゃんと観るのは初めてかも?と今回気がついた次第。
小さい丸の作品がよかったなあ。全て完売していました。お値段も伺いましたが、うん、流石でした。


続いてはもうひとつのタカイシイギャラリー
タカ・イシイギャラリー東京での

スターリン・ルビー「VERT」
を観たり、


恵比寿のG/P galleryでのグループ展で
イナ・ジャンさんの作品を観てすごく気になったり、
(こちらも雑誌などでは観たことがあったのですが、実際のプリントを観るのは初めて。お洒落でした。好きな雰囲気。)

同じビルに入ってるMEMでは
三島茂司・三島喜美代展。
アートバーゼル香港のブースでもお話させていただいたギャラリストさんに、今回も遭遇することができ、丁寧に紹介していただきました。
彼女の説明はほんと的確で好き。ステキなギャラリストさんです。
おかげさまで、すっかり三島ご夫婦の作品が好きになりました。

特に三島喜美代さんの作品が気になります。
今回の展示では大型の平面作品が並びましたが、
喜美代さんの作品の代表的なスタイルとして
独特の陶芸作品があるんです。
それがすごく面白い。

作品についてはこちら
http://www.mishimakimiyo.com/category/works


こちらにも小さめですが写真が出ています
http://mem-inc.jp/artists/mishima_j/


城南島の展示が常設らしいのでここに行ってみたいです。行ったらまたレポします
http://www.artfactory-j.com/exhibition



そして今月は初めて行ってみた場所も多く

銀座のMEGUMI OGITA galleryが
ネットで展示情報を見ていたらすごく面白そうで
グループ展「2色まで」を観に行ったら、やっぱり面白くて、また来たくなるギャラリーが増えたなあと思ったり
(TILTというグラフィティ出身のアーティストも初めて知ることが出来て良かった〜。ギャラリストさんもとても丁寧にお話してくださいました。ありがとうございます😊)


前々から気になっていた泉屋博古館分館では
「木島櫻谷 Part II 四季連作屏風 +近代花鳥図屏風尽し」展に行ってみたり、

草月会館の1階にある草月プラザでは
ケリス・ウィン・エヴァンス展が
イサム・ノグチが作り上げたもともとの空間とのコラボレーション展示となっていて
不思議な光の変化にしばらく見惚れてしまったり、

平塚市美術館での「岡村桂三展 異境へ」などもあったり


現存作家の作品もたくさん観ることができた4月でした。

実はまだ他にも観てるのですが
長くなってので、次の記事に分けてかきまーす。


今月意識していたのは
トークショーがあるものはなるべくその日に行けるようにということと、
関連書籍で面白そうなものがあれば展示と合わせて積極的に読むようにしてみようということ。
時間はかかる作業となりましたが、やってみて良かったです。面白さ、味わいが広がります。
来月も展示と合わせて、本やトークショー、インタビュー映像などがあれば一緒に楽しめたらいいなあと思います。


そんなわけで
アート鑑賞は2018年の88件目〜98件目、101件目、103件目、104件目
4月の11件目〜21件目、24件目、26件目、27件目

読書は2018年の43冊目、44冊目。4月の2冊目、3冊目でした。



I went to many contemporary art exhibitions on this April.
Miriam Cahn's exhibition and Kimiyo Mishima and her husband's exhibition were especially good.
And I want to study about Architectures and Drawing for Architectures too.




コメント

あっという間に4月も終わってしまいましたね。
平成の時代もあと1年ですね。
この一年で何ができるか考えてしまう今日この頃です。

Kyo 2018年05月01日

年度の始めから充実した一と月になったようで、本当によかったですね。

まるみる 2018年04月30日

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