毛利悠子「グレイ スカイ」展@藤沢市アートスペース

美術家 毛利悠子さんの展示を観に行ってきました。

場所は藤沢市アートスペース
観覧無料でした。

世界的に活躍する現代アーティストである毛利さん。
今回は彼女の生まれ育った場所である藤沢市での展覧会です。


さて彼女、経歴をみると、とても華々しい✨

日本をはじめ、世界でも様々な賞を受賞され、
これからの活躍も期待される日本人現代アーティストの一人です。

「磁力や重力、光など、目に見えず触れられない力をセンシングするインスタレーション を制作」
するというのが彼女の活動のステートメント。

今回の展覧会
「グレイ スカイズ」では
5つの作品が並びました。


その中で私が一番好きだったのは

《モレモレ : ヴァリエーションズ》

という作品。






↑(毛利悠子/《モレモレ : ヴァリエーションズ》部分)


↑(毛利悠子/《モレモレ : ヴァリエーションズ》部分)





今回の藤沢市アートスペースにてワークショップを行い完成させた作品なのですが、
元となった作品に、日産アートアワード2015でグランプリを獲得した時の作品《モレモレ : 与えられた落水》があります。

《モレモレ》は、
東京の駅構内で見られる水漏れと、それに対する駅員さんたちの応急処置の様子から生まれたという作品です。

東京で地下鉄などを頻繁に利用される方はどこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。
私も見かけたことがあります。
その光景を思い出し、毛利さんの作品をみて、
なるほどね、と思いました。





作品のなかでは、「人為的に水漏れを起こし」てはいるのですが、それぞれのパートごとに少量の水が循環するようになっています。水道から水を出しっぱなしにしているなどではありません。





↑(毛利悠子/《モレモレ : ヴァリエーションズ》部分)


↑(毛利悠子/《モレモレ : ヴァリエーションズ》部分)



水だけではなく、漏れた水が滴る時の音を再現しているような仕組みもあって面白い。




すごく冷静に目の前で発生していることを見つめて、観察し続けた結果、
「日常」が「アート」になる仕組みを作り上げた作品に思えました。
それは現代アートに対して度々投げかけられる疑問の一つ「どうしてこれがアート?」という部分にも引っかかってくるところだと思います。

私はこれまで、自分自身の内面を、既存のルールにとらわれずに新しい柔軟な発想で素直にぶつけていくことが現代アートの一つの要素なのかなと思っていたのですが、毛利さんの作品をみると、自分というものを完全に排除し、徹底的に他者としての観測をしただけでも、現代アートのルールにきちんと則りアートゲームに参戦できるんだよ、ということを突き付けられた気がしました。










もう一つ、個人的な関心とリンクした作品は《パレード》




↑(毛利悠子/《パレード》部分)


エリック・サティのバレエ曲から採られたタイトルだということなので、去年一度ブログでも取り上げた山村浩二監督のアニメーション作品でもテーマになっていた、あの「パラード」ですね。

その時の話はこちら↓
https://beamie.jp/?m=user&a=blog&k=detail&target_c_diary_...


バレエ「パラード」はそれぞれの登場人物ごとにヴァリエーション(ソロの踊り)があって、最後は全員が登場するという流れなのですが、
その最後の全員がそろったコーダ部分の印象と、毛利さんの作品《パレード》がなんだかリンクして、
解説を読んだ時に、そうなのかあと。

ちなみにそれぞれの物たちに動くタイミングを与えているのは一つの装置で、こちらもサティの「家具の音楽」にちなんでいるとか。壁紙をくるくる回して、それに反応することで自動演奏する仕組みだそうです。

サティの「家具の音楽」というのは、サティが聴衆に対して、聴き流してもらうことを要求していたという、一つのスタイルでもあり、「家具の音楽」として作られた楽器がいくつかあります。
これはとても不思議な曲ばかりで、意図的に短いフレーズが延々と繰り返されるんです。聴いていると壊れたレコーダーが同じ箇所ばかり繰り返して演奏してしまっているのかしら、と思う程、延々と同じフレーズが続きます。サティは聴き流して欲しかったようですが、あまりの繰り返しに、逆にだんだん不安に感じてしまい、次こそは変化するのではないか!と、小さな変化も聴き逃すまいと必死に聴いてしまう気がするのは私だけでしょうか。

「家具の音楽」のシリーズの中に
「県知事の私室の壁紙」というタイトルの曲があるのですが、毛利さんが今回作品に壁紙を使ったのは、このタイトルからなのかなあと勝手に妄想していました。




↑(毛利悠子さんの《パレード》に使われている壁紙がくるくる回ってそこから自動的な信号が出る装置)


じっくり作品の中に浸っていたら、あっという間に時間が過ぎていてびっくり。

素晴らしい展示が無料でみられるなんて
なかなかないチャンスです。
お近くまでいらっしゃる機会があればぜひ👍💕




ということで


アート鑑賞
2018年の6件目
1月の6件目

でした❤️





I went to the exhibition "GREY SKIES" by Yuko Mohri at Fujisawa City Art Space.
This was my first time to her installation works. Those were nice. I felt her objective eyes, and I thought that art market may not have to need to expose theirself. If you can catch some market rules, your works may join to the art games.Her works were detached her emotional things and herself, I thought.
This show's entry fee is free! It's very lucky.
If you get some chance to go to Fujisawa city, please stop by at this nice show 👍💕



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コメント

藤沢市には以前行きましたが、このようないいところがあるのですね。そして、何かの機会があれば、行ってみたいです。。。

ま-みる 2018年01月16日

動きのあるアートって、見ていて楽しいですよね。

taka 2018年01月15日

日常の何気ないことやものからアートへの発想ができるなんて感受性が豊かで素敵ですね☺

Kyo 2018年01月15日

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