「横山大観ー東京画壇の精鋭ー」展@山種美術館その1

山種美術館 特別内覧会 [企画展]生誕150年記念 横山大観 ー東京画壇の精鋭ー

にお招きいただき、行ってきました。

今回は特別内覧会でしたので、展示作品などを特別な許可をいただいて撮影しております。
一般来場の方は撮影することができませんので予めご了承下さい。(今回も1作品のみ一般の方も撮影可能な展示作品がございます。詳しくはご来館の際、美術館にてご確認ください。公式ウェブサイトの「写真撮影について」のページにも掲載がございます。合わせてご利用下さい。http://www.yamatane-museum.jp/2017/12/150-2.html )



さて

横山大観は日本画にあまり普段興味がないという方でも名前は聞いたことがある、と思うほど、有名な画家です。

今年は生誕150年に当たる年ということで各地で横山大観作品を観られる機会も多くなりそうですね。

山種美術館の創立者である山﨑種ニさんは、横山大観とも親しく付き合いがあり、今も山種美術館にはたくさんの横山大観作品が所蔵されています。

今回は山種美術館に所蔵されている横山大観の作品全点が一度に公開される企画展。これは1966年の開館以来初のことだそうです。
滅多にない、素晴らしい機会ですね。



さて


数多くの横山大観の作品と、同時代の作家など関連する他の画家たちの作品も数点並びました今回の企画展。

展示としてのイチオシ!とか、美術史的に重要なのはこれ!とか言うのは、多分様々な媒体にて紹介があるかと思いますので
今回の極めて個人的に、好きだなあ、いいなあと思ったものを、独断と偏見によりピックアップして行きたいと思います。






まずは


横山大観の
《叭呵鳥》です🐦





(横山大観/《叭呵鳥》/昭和2年/紙本・彩色/山種美術館蔵)


横山大観といえば、私は勝手に、豪快なイメージしか持っていなかったのですが、こんな愛らしい絵もあるのかと魅入ってしまいたした。横山大観59歳の時の作品です。
ふっくらとした鳥の背中の丸み、尻尾のあたりで羽をクロスさせて休んでいる様子が、一段とこの鳥の可愛らしさを引き立てています。
インコでもオウムでも、ご自宅で鳥さんと暮らされたことのある方、鳥好きな方には、この鳥らしい魅力がより一層伝わるのではと思います。
鳥好きあるあるです😍(昔は鳥とも暮らしていました私も鳥好き人間です)

叭呵鳥はとても縁起の良い鳥と言われていて、横山大観も何度も描いている画題。
横山大観は宮内庁で飼われていた叭呵鳥を1週間借りて、観察したこともあるのだとか。
1週間じっくりと時間をかけて見ていたからこそ、鳥独特の何気ない時に見せる可愛らしさが表現できたのかもしれないですね。






さて次は

同じく横山大観で
滝を描いた作品。
《華厳瀑》です。







(横山大観/《華厳瀑》/昭和7年/絹本・墨画淡彩/山種美術館蔵)


横山大観が64歳の時の作品です。

実は私、滝も大好き。
延々と滝を眺めているだけで幸せな気持ちになるという謎の女なのです。
そんな私が思うこの《華厳瀑》の素晴らしさは、まさに目の前に滝があるかのように感じられる点。滝の流れる音、近くまで行った時に肌に感じる細かい水しぶき、鼻の奥にツンとするような透明な空気といった、滝の魅力が、一枚の絵から存分に感じられる作品です。

実はこの作品にそっくりな構図で、もう一つ滝の絵があり、今回お隣同士で展示されています。
それがこちらの《飛瀑華厳》。先ほどの《華厳瀑》と同じ年に描かれています。





(横山大観/《飛瀑華厳》/昭和7年/絹本・墨画淡彩/山種美術館蔵)



どちらも素晴らしい作品ですが、個人的には、滝の音が聞こえてきて飛沫が感じられるなあと、直感的に思うのは《華厳瀑》の方でした。
このあたりは多分好みが分かれるところで、見比べられるように展示してあるのもまた面白いなと思います。







さて次は
横山大観の《蛙》という作品です🐸






(横山大観/《蛙》/昭和13年頃/紙本・墨画/山種美術館蔵)



蛙という生き物については、そんなに好きではなく、むしろ苦手な方なのですが、これはたまらなく可愛い魅力に溢れていました。横山大観が70歳頃の作品です。


横山大観が描く竹も、とても魅力的だなあと感じた今回の展覧会。この蛙も竹と一緒に描かれているのですが、そのバランスも絶妙。シュッと勢いとともに描かれた竹。繊細かつ躊躇いなく一筆ずつ置かれていった葉。そこに、ちょこんと座る小さな蛙。
「東京画壇の精鋭」としての横山大観ではなく、極めてプライベートな優しい横山大観の一面を見たかのような、素敵な作品でした。




竹といえば、かつて自宅の裏庭を竹林にしてしまったほど、竹との関わりも深かった横山大観。

こんな作品も展示されていました。
《竹》





(横山大観/《竹》/大正7年/絹本裏箔・墨画/山種美術館蔵)


ここまで紹介してきた作品よりも若い頃、横山大観が50歳の時の作品です。
「絹本裏箔」とはどういう技法なのか、という解説もこの作品のすぐそばに丁寧に紹介されていました。
「裏箔」の文字のごとく、裏から金箔を貼り付けていることによって、ふんわりとした金の輝きが画面全体を覆うような作品となります。
野に咲く山桜、富士山など、横山大観が生涯に渡り数多く描いた自然はいろいろとある中で、今の私には竹の絵が一番素敵に感じられました。
富士山を画題とした作品は生涯に渡り、なんと2000点ほども描かれたと言われているんですって!もちろん今回の展覧会でも富士山の絵は何点か展示があります🗻





そろそろこのページに載せられる写真枚数も限度になってきたので、もう一枚。

次は


横山大観の《月出皎兮》
「つきいでてこうたり」と読みます。
横山大観が85歳の時の作品です。
富士山の絵をたくさん描いたといわれる昭和の頃ですね。




(横山大観/《月出皎兮》/昭和28年/紙本・墨画彩色/山種美術館蔵)


絵の上の方に輝く満月が描かれています。
この満月は銀泥を使って描かれていて、絵を見る角度によって光り方が変わって見えるんです。
展示室での照明の当て方の影響もあると思いますが、今回は真正面から見ると明るく輝くように見え、少し斜めから見ると渋く輝くように見えます。
絵の前を何度も右へ左へと行ったり来たりしながら見てしまいました。
山の夜に満月の光が降り注ぐ様子が、とても静かに描かれていて、光の描写にうっとりしました。



ということで写真が6枚になってしまった都合により、
次のブログへ続く・・・






山種美術館公式ウェブサイト
http://www.yamatane-museum.jp/


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コメント

日本画はモノクロで奥深さを出しているので、すごいといつも思います。。。

ま-みる 2018年01月11日

美術には暗い私も、横山大観は知っています。
特別内覧会に招かれるのは、凄い事ではありませんか?

taka 2018年01月11日

素敵な絵の数々をありがとうございました

Kyo 2018年01月11日

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