「単色のリズム 韓国の抽象」展に行ってきました。
韓国の作家さんたちで
しかも抽象画だけを集めるという
面白い企画なのですが、やはり抽象となると
パッと見ただけでのわかりづらさもあるからか
無料のハンドブックが付いてきました。
カラー印刷で、それぞれの作家さんの作品と解説、簡単なプロフィールなどを知ることができる冊子。
印刷はサンエムカラーさん。道理でカラーの再現性がキレイなわけです。販売されているカタログかなとも思えるような、しっかりとした厚みのある紙で作られた本で、得した気分です。
さて
そのハンドブックを片手に
ゆっくりと見ていきましたが
好きな作家さんを何人か発見。
まずは
郭仁植(QUAC In-Sik カク・インシク)さん。
1919年から1988年まで生きたアーティストで
1937年に日本の美術学校で学ぶために来日。
その後は日本を拠点に活動した方だとか。
墨の点を楕円形に塗り重ねている作品が印象的で、
一つの点を描いて乾かし、次にまた一つ描いて乾かすという作業を繰り返している作品。
《Work86-KK》というタイトルのこの作品は、墨だけで描かれていて真っ黒な面も多いのに、とても透明で柔らかなイメージ。199cm×300cmという巨大画面でその8割が黒の色で占められているのに、全く重苦しい圧迫感を感じず、不思議な心地よさがある作品でした。
そして
なんと言っても圧倒的なパワーを放っていたのは
やっぱり李禹煥(LEE U-Fan リ・ウファン)さん。
実はリ・ウファンさんの実物をみるのは初めて。
やはり図版などで見ていた時の印象とは全く違っていました。
圧倒的な存在感、強さを感じさせながらも、どこまでも自由で、それでいながら無秩序な奔放さや迷いのあれこれではなく、間違いなくリ・ウファンだなと思わせるブレない芯が通っていて、見飽きることはありません。
経歴をみたらソウル大学校美術大学を1年で中退した後、日本に来て、日本大学の哲学部に転入したのだとか。
面白いですね。著者もたくさん出ているので、今度ぜひ読んでみたいと思います。
この企画展意外にも今回は同時開催で
「懐顧 難波田龍起」展(寺田コレクション)
と、「三瓶玲奈」展(project N)
も鑑賞しました。
どちらも初めて見る作家さん。
特に三瓶玲奈さんの作品はとても魅力的で
これからもっともっとたくさんの作品を見ていきたいと思った作家さんでした。
三瓶さんは作品制作の初期段階では膨大なスケッチをするのだとか。それも肩肘張ったものではなく、その時持ち合わせの紙や、スマホのアプリを使って描いたり。三瓶さんにとってのスケッチはトレーニングであり、手先にそのスケッチ対象を覚えさせる作業のようで、実際の作品制作に取り掛かる時には、スケッチしたものは一切見ないのだとか。
日用品を描いたシリーズがあったのですが、ものすごくそっくりに描かれているはずなのに、なにか魅力的な違和感を感じるんです。本当にわずかな、髪の毛一本くらいの差異で、もしかしたら気のせいかもしれないというくらいのものなのですが、どうにもこうにも気になる、そんな違和感。
面白かった。次回展示がどこかであったらまた見にいきたいと思います。
というわけで、やっぱり実物を近くで見ないと
好きかどうかもなかなか分からないものだよなあと改めて。
たくさん見ていきたいな。
アート鑑賞3件つづけて
観に行ってきた順番とアップが逆転してしまいましたが、
2017年の99件目、100件目、101件目
12月の1件目、2件目、3件目
でした。
I went to the exhibition "Rhythm in Monochrome /Korean Abstract Painting" in Tokyo Oper City Art Gallery.
LEE U-Fan's works was very strong works. And QUAC In-Sik's work was beautiful.
Their works had strong body and gave us their deeply thought.
On this day, I could see more another two exhibitions and I found nice works by Reina Mikame. I was interested in her works and wanted to see more! I’ll go to her show next time!
感性を磨く時間は、本当に大切ですね。ただ、私は、近頃は時間に余裕がなく、、、。