「装飾は流転する」その2

さて東京都庭園美術館で開催中の
「装飾は流転する」展のお話のつづき・・・



ヴィム・デルヴォア(Wim Delvoye)さんの作品は、工業や労働を思い起こさせるかのような素材やテーマでありながら、どこか夢の国、おとぎ話のお姫様が出てくる世界のような雰囲気すらも感じる、相反する要素が不思議なバランスで響きあう、存在感たっぷりの作品たち。

作家の紹介文にも「相反する要素を作品に共存させることで新しいイメージを作り出す」とあり、
伝統的な「装飾」が様々な形として再構成されています。






《リモワ・クラシックフライト・マルチウィール971.73.00.4》(2015年/エンボス加工のアルミニウム)

《リモワ・トパーズ・キャビン・マルチウィール920.56.00.4》(2015年/エンボス加工のアルミニウム)

《リモワ・クラシックフライト・アタッシュケース921.12.00.0》(2015年/エンボス加工のアルミニウム)

というスーツケースの有名ブランド、リモワのバックの表面にゴシック装飾が施されていたり、


《無題(タイヤ)》(2007年/手彫りのタイヤ)
これは近くまでいくと、ちゃんとタイヤの匂いが!


《ノーチラス(スケールモデル)》(2013年/レーザーカット加工のステンレス鋼)
ノーチラス、オウムガイは自然が生んだ黄金比の例とされているもので、その形にゴシック装飾を合わせていたり。


レーザーカットの技術が凄すぎて目を見張ります。



《低床トレーラー(1/6スケールモデル)》(2014年/レーザーカット加工のステンレス鋼)

《ダンプカー(1/6スケールモデル)》(2014年/レーザーカット加工のステンレス鋼)


トレーラーの上にダンプカーが乗ってるんです。

もはやおとぎの国のキラキラパレードの山車にしか見えません。
凄すぎます。
ゴシック装飾というものがここまで、私たちの中にある既存のなにかを壊してくれるとは。







ニンケ・コスター(Nynke Koster)は
シリコーンゴムを使って歴史的建造物の装飾を型取りし、そこから立体作品を作る作家。


《オランダのかけはし》(2017年/シリコーンゴム)
これ、座っていいんですって。でも色がついちゃうかもしれないですって美術館のお姉さんに言われて、、、座りませんでしたー😅
だって薄い色の服だったし、、、お尻がカラフルなまま帰るわけにもいかないし、、、
出島にインスピレーションを受けた作品だそうです。なるほど。
模様にも日本の伝統柄がたくさん。
ニング・コスターさんの座れる作品は他にもたくさんあるので、座れなくても触ったりすれば
独特のプニプニ感はわかるかも。
多分本当は、歴史的な柄を転写のように抜き出したものに座る、そして体感するということに、この作品の本当の意味があるのかなあとも思うんだけれど・・・座れなかったー。ごめんなちゃい🙈












こちらは山本麻紀子さんの作品。
とても面白くて、まず、山本さんが左にあるような絵を描くのだとか。
それらは窓の絵。
そして窓の外からみて考えた、建物の中のストーリーを窓の絵の下に書き込む。
その絵を持って、なんと実際に、その窓の家を訪問!さらに!趣旨を説明し、そのストーリーを訪問先で演じてもらって写真におさめる!!!

ロンドンで始まったこのプロジェクトですが、
今回はこれまたなんとなんと!白金エリア(美術館の近く)などでもこのプロジェクトを決行し、その最新作も展示されています。

日本にもこんな企画に突然でも協力してくれる
広い雰囲気の何かがあるんだ、、、そこもなんかすごい。
そういう能力もまた、アーティストとしての特別な、そして大切な能力だと改めて思う。
どんな方なんだろう、山本麻紀子さん。今回の展覧会の中で、アーティスト個人に強く興味を持ったのは私の中ではこの山本麻紀子さんでした。年齢も私と1歳差なだけ!
こんな近い年の人が、体当たりて、世界で自分の表現を、発信し続けている。すごい。









これはコア・ポア(Kour Pour)さんの大型作品の展示。
エクセターでペルシア絨毯店を営むイギリス人の母と、イラン人の父の間に生まれ、現在はロサンゼルスを拠点に活動。
ペルシア絨毯を連想させるペイントなのですが、そこには様々な、本来であれば共存しないようなモティーフが散りばめられ、さらに古びた絨毯が磨り減った部分のようなカスレもペイントで表現されています。
絨毯?いや違う?絵画?でも絨毯っぽい?
描かれているものが国も時代もばらばら?!
と見れば見るほど面白さにハマっていく作品です。




最後は山縣良和さんの作品

たくさんありすぎて紹介しきれませんが
どれも素敵で映えるものばかりでした!

写真映えはしないかもしれないけれど
個人的に一番気になったのは





「フラワーズⅢ」2018年春夏コレクションより


夜だったせいなのか
棺桶のような連想もしてしまって
ちょっと怖くて、そしてかなり気になる展示でした。





と、そうこうしていたら
また写真が6枚に。


そろそろ終わりにしたいと思います。



遅い時間に行ってしまったのでカフェは立ち寄れなかったのですが、今度はのんびり時間をとって、美術館の中のカフェも行きたいなあ。



いろんな楽しみ方ができる展覧会でした。
じっくり時間をかけて見ていくと
いろんなことを考えさせられる展示です。
最近退屈だなあ〜という方で、アートから新しい刺激を受けたい!自分の心の底に問いかけるキッカケや刺激が欲しい!という方にはピッタリかも🤗✨


昼ならお庭もあるのでお散歩もできて、
綺麗な美術館ですよ😊💕
私の大好きな場所のひとつです。



ということで


アート鑑賞
2017年の80件目
11月の9件目
でした🖼✨




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コメント

これはどれも素敵ですね☺

Kyo 2017年11月23日

今後、感性を磨き続ければ、まりさんもいつかこのような作品を作れるかも。。。

ま-みる 2017年11月23日

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