上野はいま、「怖い絵」展の熱がすごくて
びっくりな行列ができていますが
実は他にもステキな展示が上野公園エリアであるんです。
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」
東京都美術館で開催されています。
行ってきましたよ。
「怖い絵」展の影響なのか、空いてて観やすかった!ゴッホが観やすいなんて、すごくラッキー!
しかも今回、ゴッホの最晩年作品で日本初公開の絵もあるんです。
じっくり心ゆくまで近くでまじまじと観ることができました😍なんて素敵なんでしょ💕
さて今回の展示は
日本の浮世絵が大好きだったゴッホというあたりに焦点が置かれています。
ゴッホが観たであろう浮世絵の数々も同時に展示され、
さらにはこの浮世絵をモデルにしながら描いたんだろうなあという、ゴッホの絵と浮世絵の比較展示もあり。とても分かりやすく面白い展示になっていました。
日本の浮世絵から、日本の景色に想いを馳せていたゴッホ。
彼の死後は、今度は日本人がゴッホがいた場所を訪れ、なんとかゴッホの作品を日本で紹介しようと尽力します。
その時に関わった日本の人たちに纏わる展示もありました。
これまでにも、ゴッホの作品をいくつか観てきましたが
わたしはやっぱり、亡くなる直前の頃の作品にとても心を動かされます。
絵の中からうごめきながら放たれるエネルギーに
いつも、突き刺され、絵の前からしばらく動けなくなるんです。
今回の最晩年作品も本当に素晴らしかった。
《草むらの中の幹》(1890年/カンヴァスに油彩/クララー=ミュラー美術館所蔵)
そして日本初公開の
《ポプラ林の中の二人》(1890年/カンヴァスに油彩/シンシナティ美術館所蔵)
どの絵もいつも、図録やネット上の画像ではわからない魅力があると、作品の前で思うのですが、
この二つの作品は、特にそれを思います。
胸の内にある困惑や闇や、余り出てくるパワーを
全て絵にぶつけてもぶつけても、
何かが解消されることも満たされることもないような
声にならない声で叫びだしているようなエネルギー。
己との闘いの境地を感じるようです。
他にも素晴らしい作品はたくさんありました。
あと2つくらいは書こうかな。
《寝室》
(1888年/カンヴァスに油彩/ファン・ゴッホ美術館)
これはとっても有名な一枚。
美術の簡単なテキストなどにも取り上げられたり、
あ!これどこかで観たことある!と思う方も多いかも。
わたしもそんな感じで絵の存在は知っていたものの、実物を目の前にするのは初めて。
ぜんっぜん、ちがう!毎度のことながら、図版で知ってたつもりになっていたけど、全然認識できてなかった、と改めて思いました。
独特の歪んだ遠近法について触れられたり、
ゴーギャンと過ごした時代の話で触れられたりするこの絵ですが、
この歪みが、なんらかの視覚的効果のためというよりも、心理描写のように見えてくるんです。
整った遠近法でこの寝室を描いたのでは、伝わらない、その時のゴッホの想い。
不安や期待やワクワクや、いろんなものが入り混じって、ほんの少しふわふわした気持ち。
この《寝室》も、実物を観ることができて、よかった。
最後は
《男の肖像》
(1888年/カンヴァスに油彩/クレラー=ミュラー美術館所蔵)
ゴッホの描く肖像がは、決して美しく整えられたものではなく、むしろやや歪んだ表情や、デフォルメも見られるものが多い気がしますが、
それによって、描かれた人物の喋り方、表情、声、性格などまで想像してしまう肖像画で魅力的です。
描かれた側の人の気持ちはわかりませんが😅
ある意味でとてもその人物の特徴を捉えていて、
なんだか現代のカリカチュア的な要素も持ち合わせているのかなあ、なんて思いました。
他にもまだまだ、素敵な作品がたくさんありましたよ。
音声ガイドも借りました!
ナビゲーターは女優の常盤貴子さん。
ゴッホの声などで佐々木啓夫さん。
ゴッホのセリフがとても印象的で素敵でした💕
ゴッホ展は来年の頭まで開催しているようなのですが、うかうかしているとまた見逃してしまいかねないので、素早く行ってきました。
内容や会期など詳しくは公式サイトもご参照ください。
東京都美術館公式サイト
http://www.tobikan.jp/
ゴッホ展公式サイト
http://gogh-japan.jp
そんなわけで
アート鑑賞
2017年の76件目
11月の5件目
でした🖼🎨
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和と洋のコラボがいいですね