「奈良美智for better or worse」展@豊田市美術館

ギリギリセーフで

展覧会会期終了1日前に滑り込み!



どうしても行きたかった奈良美智さんの大規模個展に行ってきました。

場所は愛知県の豊田市美術館。


奈良美智さんは愛知県立芸術大学ご出身。
大学院を出てから、今年はちょうど30年が経った年だそうです。


奈良さんの言葉では
「僕は、自分の世界観を作り上げたいろいろな事象を豊田市美術館に並べてみるところから始めようと思っている。10代の頃から集めたレコードや昭和風な人形たち、本棚の中の思い出深い書物。そして、80年代から始まる自分の絵画史だ。世界に散らばっている、自分が思うところの代表作をここに集めてみることにした。」(展覧会作品リストパンフレットより)
とのこと。


それはもう、絶対観ないと、でしょう!


奈良美智さんの作品は青森県立美術館でも何度か観ていて、もちろん他の大きな美術館の常設展でも観る機会はたくさんありました。
子供や犬をモチーフとした可愛らしいイメージが特徴の一つでもあるアーティストとして認識されているのかなとも思いますが、

個人的には、単にカワイイ!とかではなく、その奥に潜む光や影、渦巻く色に私はとても惹かれていて、
大好きな作家さんの一人です。

奈良美智さんの作品の本物を初めて観たのは
横浜美術館だったと思います。
《春少女》という2012年に描かれた絵画で、正面バストアップの少女の顔が描かれた作品です。
とにかくこの《春少女》を観た時、涙がでそうになるくらい、胸の奥をぐいっと掴まれ、幸せの渦の中に放り込まれた感じがしました。

なんてすごい絵なんだろうと
圧倒され、光り輝く《春少女》のオーラに打ちのめされてしまったんです。

そこから、奈良美智さんに強く興味を抱き、
もっと知りたい、たくさん本物の作品を目の前にして感じてみたいと思うようになりました。


今回の展示にも《春少女》は来ていて、
奈良さんご自身が選び抜いた今回の展示リストに、この作品が入っていたことで、少しほっとしたような、嬉しい気持ちにもなりました。
何度見ても、私の中では《春少女》が奈良美智作品の中で、ナンバーワンなのかもしれません。
そんな作品が、奈良美智さんご本人のセレクトに入っていたことで、「あ、奈良さんご本人も、この作品をご自身の代表作と思っているのかしら」と、良かったなあと、ほっとしたんです。



さて

《春少女》はもう、私の中で突き抜けて別格なので、置いておきまして、

今回の展示で出会った素敵な作品(全部素敵なんですが)を、いつものように絞ってみたいと思います。


まずは
ダンボールのような厚紙に描かれた絵のシリーズがすごく気になりました。

中でも

《I'm a Son of a Gun》(作家蔵)
はすごく悪そうな顔をした犬と、銃を持った子が描かれているのですが、厚紙の端は少し破れてえぐれた感じになっています。
この厚紙に描かれた作品たちに共通することでもあるのですが、とても自由な感じがしたんです。
隅々まで自由で、一切の堅苦しさはなく、楽しんで筆を走らせた、そんな気持ちを感じてしまいます。
その、清々しくも自由な絵がとても印象に残り、
うちに飾って毎日眺めたい!きっと嫌なことがあったり、落ち込んだらしても、この絵をみたら、救われるんじゃないかしらと思ってしまいました。
《On the Tiny island》(作家蔵)はちょっと風刺画的な要素も強くて、今とこれからを表しているかのようで、これも好きだったなあ。




次はこちら

《Cup Kid》(作家蔵)
2000年の作品で
14.7×9.8cmと小さい作品。
奈良さんはドローイング以外は大きな絵が多いと思っていたので、小さいのも珍しいなということもあり。
浮世絵とのコラボ作品。
カップの中に奈良さんが描く子供が入っているんですが、この浮世絵と奈良さんの絵のギャップが楽しくて、思わずニッコリしてしまいます。



最後は新作


《Midnight Truth》(作家蔵)


なんと今回、絞り込んだ3作品が
偶然にも全て、作家蔵のもの!!びっくり!


2017年、今年の作品である《Midnight Truth》は
《春少女》などでもお馴染みの、上半身バストアップ正面の少女の絵です。
展示室の中で、この上半身バストアップの作品ばかりを集めた部屋があったのですが、
描かれた年代ごとにみていくと、少女の絵なのに、なぜか奈良美智さんご自身の自画像のようにも感じられてきました。
この少女たちの絵には、その時その瞬間の奈良美智さんが凝縮されていて、2017年の《Midnight Truth》は、「これが今の奈良美智さんなんだな」と、納得させられてしまった感じです。

迷ったりもがいたりした頃、透明でキラキラしていた頃、そしていろんなものを越えて積み重なって少しだけフラットになって、いま、2017年。
勝手な想像で私の妄想ですが、時の流れを感じながら観ていました。





ということで
100点の奈良美智さん作品に満たされて
幸せな時間でした。



ついでに
豊田市美術館

綺麗な建物だなあと思っていたら
今年話題のGINZA SIXや、
秋田で暮らした時に通った明徳館の図書館なども建築された日本を代表する建築家、谷口吉生さんの建築でした。

谷口さんの建築って、実にエレガントです。
押し付けがましくなく、サラリとしているのに、美しくて、
自然体でありながら、ありきたりの退屈さには陥らないという。
絶妙なバランス。
豊田市美術館に行くことが出来て、良かった!






そんなわけで
豊田市美術館、奈良美智さん個展でした。



たぶんしばらく、奈良美智熱に浮かされながら
幸せに過ごせることでしょう。


アート観賞
2017年の53件目
9月の6件目
でした🖼





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豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/sp/





朝一で開館前に行ったのに
長蛇の列だったんだよお。
びっくりでありました。さすが世界の奈良美智さんです。
展覧会で長蛇の列が出来ていたのを観たのは、今年3回目。ゴッホとゴーギャン展と、草間彌生展と、今回の奈良美智展。

コメント

素敵な作品に出会えて、本当に良かったですね。そして、これこそまりさんにとっては、人生における運命の出会い、だったりして。。。(^0^)

ま-みる 2017年09月26日

朝一で長蛇の列はすごいなあ
それだけ人気ということですね。
素晴らしい作品に囲まれて幸せな気分なれて良かったですね。

Kyo 2017年09月26日

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