「上村松園ー美人画の精華ー」展@山種美術館その1

「上村松園ー美人画の精華ー」展の特別内覧会にご招待いただき、行って来ました。

この日は、明治学院大学教授で山種美術館の顧問でもある山下裕ニ先生による事前解説があり、展示を観る前のプチ予習ができました。

展示室内では山﨑妙子館長による解説も。
上村松園と直接親しくしていた、山種美術館の初代館長の山﨑種ニ氏は、山﨑妙子館長のお祖父様にあたる方ということもあり、ご家族だからこそ知るエピソードもお話いただきました。



山種美術館には現在、上村松園の作品が18点所蔵されており、今回その全てが一挙公開。
生前、山﨑妙子館長のお祖母様が上村松園の作品が好きだったこともあり、山﨑家と上村松園の親しい交流が生まれていたようです。


今回改めてしっかりと上村松園の作品を観て、
女性の美しさに、ぐっと惹きこまれました。

実はこれまで、日本画では風景、草花、動物などはとても好きな作品がたくさんあったのですが、
人物、女性の絵などは、

「ふーん、こういう美があったんだねー」

くらいにしか感想を持てずにいたのです・・・。
それは私の勉強不足ゆえでもあるのですが、
なんとなく個人的な好みとして、日本画なら人物じゃないものの方が私は好きなのかなあと、勝手に思い込んでいました。


しかし今回、上村松園の描く女性のあまりの美しさに圧倒されたのです。
その透明感と清涼な感じ、凛とした美しさに、気品が漂う様子。これは一体、どういうことかと思っていたら、上村松園の理念に当たりました。

「女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」

と上村松園は語っていたのだそうです。

彼女の、確固たる「アーティスト ステートメント」ですね。
この力強く、ぶれない芯も、作品からひしひしと感じられます。
とにかく、完璧、なんです。
一瞬の隙も妥協も許さないその心が、絵から香り立ちます。

その完璧を求める姿勢は作品の表具にも現れていたようで、非常にこだわって表具を依頼していたようです。

今回の展示でも作品の素晴らしさのみならず、
表具の美しさ、作品と表具の絶妙なバランスも堪能していただけると思います。






(※展示室内は通常、一部を除き、写真撮影は不可となっております。今回は特別内覧会ということで美術館から特別な許可をいただいて撮影、掲載しております。予めご了承下さい。)















《春のよそをひ》(上村松園 / 山種美術館所蔵)








《詠哥》(上村松園 / 山種美術館所蔵)


このあたりは特に綺麗だなあと思いました。











《春風》(上村松園 / 山種美術館所蔵)
こちらもとても上品。この全体の色遣いは、本当に抜群のセンスを持っていないと出来ないのではないかと思わせられます。
絵の方では朱の着物。上村松園の描く朱の着物はとても特徴的な色ですね。強すぎず、かといって引っ込み過ぎず。








今回の上村松園の作品、18点
どれも素敵でしたが
ここで私のお気に入り作品を2点挙げたいと思います。




まずはこちら
展覧会会場、最初に展示されています《蛍》






《蛍》(上村松園 / 山種美術館所蔵)



大きな作品なのに、どこにも一点の妥協もなく、隅々まで完璧です。上村松園の他の作品にも共通していることですが、この完成された空気感が作品の隅々まで行き渡ることで、良い意味でのピリリとした緊張感もあるんです。品があり、柔らかさがあるのに、キリッと引き締まっている。このバランスが上村松園の魅力だなあと私は感じています。
《蛍》は蚊帳の透けた感じ、女性の優しい眼差し、ふわりと飛ぶ儚い蛍、なんとも涼しげで、梅雨の頃のもやっとした時期にこの絵を観たら、さぞ癒されることだろうと思われます。








次は《庭の雪》







《庭の雪》(上村松園 / 山種美術館所蔵)


これは上村松園が73歳の時の作品。74歳で生涯を閉じた上村松園ですので、最晩年の作品ということになります。
このサイズの作品は今回たくさん並んでいて、どれも本当に素晴らしかったのですが、中でも私はこの《庭の雪》の穏やかさに心惹かれました。
《蛍》のような、勢いのある完璧さとはまた違った、ゆったりとした、全てが丸い光で構成されているかのような完璧さ。同じ完成度の高さでも、少し種類が違うようにも思います。
ああ、これが家にあったら、毎日眺めて、にんまりし続けるだろうなあ、ちょっとイライラすることがあった日も心を癒してくれるだろうなあ、なんて思ってしまう作品でした。





日本女性の着物姿、日本髪などの伝統的な美しさを絵の中に留めようとしていた上村松園。

上村松園自身も戦時中に疎開していた時以外は常に着物姿で、
描く女性たちの髪型や装身具にもこだわり、
自身もいつも日本髪を結っていたとか。


理想の美しさを追い求め、努力に努力を重ねた日本画家、上村松園。
当時女性で、絵筆で身を立てるというのが前例のないようなことでとても大変だったようですが、それでも決して挫けなかった彼女の生き様にも、とても興味がでてきました。
ますます日本画が好きになってきましたよ!もっと勉強したいと思います。

今回の展覧会では上村松園以外にも素晴らしい作品が多数紹介されていました。
写真が載せきれないので、次のブログに分けて書きますね。

つづく・・・





作品解説をしてくださっている山下裕ニさんの様子(写真上)と
展示室内で解説してくださっている山﨑館長の様子(写真下)





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コメント

女性の繊細さが絵に現れている、素晴らしい作品ですね。。。

ま-みる 2017年08月31日

とても素敵な絵の数々ですね
髪の生え際と顔の輪郭、そして全体のバランスに感性を磨かれますね

Kyo 2017年08月31日

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