最近読んだ現代アメリカ文学は、ポール・オースターの【オラクルナイト】と【ガラスの街】
ポール・オースター作品はまだこの2冊しか読んでいませんが、どちらの作品にも共通していたことは、例えるならばどこからか音楽が聴こえてくるように受動的に物語が流れつづけ、展開を予期する間もなく次なる場面を見せてくれたことです。
架空世界をごく自然に見せ、幾重にも重なる音律のように時空をあやつり異次元へ誘ってくれました。オラクルナイトには「青いノート」が、ガラスの街には「赤いノート」が出てくるので、そこも面白い点でした。
海外作品のなかにただようその街の空気、におい、生活感、文化。行ったことがない場所も行ったことのある場所のように感じてしまう私もまた作者の力によって想像世界という異次元へトリップしてしまったのかもしれません。
本を閉じたときに思うのは、単なる読了の喜びではなく、現実に戻ってきた安堵感につつまれます。誰の人生でもなく、自分の人生を生きていて自分の居場所はここであるという、確固たる安心なのかもしれませんね。
優れた作家たちは、作品を通じて個々の命や人生に焦点を当て、ありふれた日常を美しく描写し、命を吹き込むという作業をしてくれます。
そして私たちは作品からそれを受けとり、新しく与えられる磨かれたメガネ(視点)で自分の周囲・人生・人々をくまなく見てみる。わたしは作家や芸術家が与えてくれるのは“作品そのもの”の美しさと、さらに奥にある“個々の輝き”を見るためのメガネ(視点)👓だと思うのです。
そのアイテムを手にしたとき、人生はより豊かにうつくしく色を持つのだと思います。
それから今読んでいるのは、村上春樹さんの雑文集。面白いので読むのが楽しい🎵
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