山種美術館の企画展
「花✳︎Flower✳︎華 -琳派から現代へ-」
休館日に開催される特別内覧会にご招待いただき
行って来ました。
今回は特別内覧会ということで
美術館から特別な撮影許可をいただいており、
作品によっては、SNSなどで撮影した写真をシェアすることができるというもの。
ということで
いつもより写真多めでお届けしたいと思います。
さて
山種美術館といえば
日本初の日本画専門美術館
素晴らしいコレクションの数々をお持ちで
わたしもこれまでも何度か観覧に来たことがあり、
毎回、うっとりしております。
今回の、花をテーマとした展示は
山種美術館が春に毎年行っているシリーズです。
もう何年前になるかわかりませんが
日本画の展覧会を見始めた時は
どう観たらいいのか戸惑うこともあったり
なんだか難しそう、という気持ちがあったりしたのですが
いろいろと観ていくうちに
純粋に、
あ、キレイね〜
とか
この描き方が面白い!
とか
そんな風に
素直に楽しんでいいんだなあと
思えるようになりました。
一口に日本画と言っても
時代や作家によって様々。
これまで西洋絵画の美術展は行ったことがあるけれど、日本画の展示は行ってないなあ、という方も
ぜひ、数々の名品を山種美術館で堪能して、
好きな一枚を探してみていただけたらなあと思います。
きっと楽しいですよ😊💕
今回の展示の中で
私が、好きだなあと思った作品を
書いてみますね。
まず
小茂田青樹の《四季草花画巻》(山種美術館)
↑小茂田青樹《四季草花画巻》(山種美術館)
(下2点は部分)
紙本に彩色されたもので
1931年頃の作品です。
展示期間中に場面替え、つまり、開いている部分を変更しての展示があります。
場面替えした部分も観たい場合は、少なくとも2回は行かねば、ということになります。
さてこの
《四季草花画巻》ですが
右から左へ
通常の絵巻物の流れで
様々な草花を描いて行った様子がよくわかります。
それぞれの草花の近くには描いた日付が書き込まれ、
同じ日にいくつか描いたり
次の日に前の日の少し左にまた別の絵を描いていたりして、
だんだんと紙が絵で埋まっていく様子が思い浮かびます。小茂田青樹が描いていた当時の空気感まで伝わってくるようです。
彩色(色を塗られている)絵の隣に、それと同じ形の草花の線画、下絵のような、試行錯誤した跡のようなものが描かれているところもあり、
そのあたりも細かくみていくと、とても面白く、
こうやって完成まで進んで行ったのかなあ、なんて
想像が止まりません。
さらに
よーく見ていくと
草でも花でもないものが!
コマネズミの子
可愛いんです。
これを草花の中に描きこんだ小茂田の
お茶目さ、遊び心に
思わず、ほっこりと微笑んでしまいます。
展示に来られた方はぜひ、実際の作品で探してみてください。
また同じ小茂田の作品で今回展示されているのは
《水仙》。《四季草花画巻》が描かれる12年くらい前に描かれた作品です。
↑小茂田青樹《水仙》(山種美術館)
この二つ、同じ草花を画題としていても
全く違うなあと。
京都で流行っていたテイストが《水仙》の中にはあり、
そこから12年も経って、また新しい色遣いもしている。
もちろん《四季草花画巻》の方は植物図鑑的要素を持ち合わせ、《水仙》とはそもそもの意味合いが違う作品なわけですが、それでも同じ作家の12年後をみると面白いですね。
次は
酒井抱一《月梅図》(山種美術館)
↑酒井抱一《月梅図》(山種美術館)
絹本に彩色のもので
江戸時代に描かれた比較的大きな作品です。
この作品のみ、一般来館でいらした方も
今回ご自身のカメラで撮影することが可能だそうです。
《月梅図》はずっと眺めていたくなるような美しさ。
薫る梅。
月の光の下、
静かに時を過ごす、
そんな、ゆったりと贅沢な夜を味わっている気持ちにさせられます。
梅の花は夜とともに描かれることが多いのだそうですが、
なるほど、桜とはまた違う、しっとりと大人の魅力に満ちていますね。
この展覧会では入り口から順番に
春、夏、秋、冬の花と、展示構成されていますが、
最初に見た春が、桜の輝きが溢れる、芽吹く「動」の美しさ、とするならば
展示後半の梅は、奥深く、見えない部分に積み重なったところから滲み出る「静」の美しさ、かもしれません。
他にも
渡辺省亭の《牡丹に蝶図》(絹本・彩色・1893年頃の作・個人蔵)の
モチーフを趣深くとらえ、表現していく繊細さが素敵だなあと思ったり、
↑渡辺省亭《牡丹に蝶図》(個人蔵)
木村武山の《秋色》(絹本・彩色・大正時代の作・山種美術館蔵)の
優しい描き方、特に白の透明感などは息を飲む美しさでとても好きでしたし、
↑木村武山《秋色》(山種美術館)
梅原龍三郎の《バラと蜜柑》(紙本・油彩・1944年の作・山種美術館蔵)も
ルノワールの弟子だった梅原は、最愛の奥様が亡くなった時に、ルノワールが使っていた赤い絵の具をわざわざ取り寄せて、奥様の棺にバラの花を描いたという話を伺ったりして、
梅原のバラへの特別な想いを感じ、
感慨深く魅入ってしまったり。
挙げていけばキリがないほど
どれも素敵なコレクションばかりで
時が経つのを忘れて、夢中になってしまいました。
最後にこの日は特別内覧会ということで
和菓子の試食会も。
山種美術館には入り口となりの窓際に
スイーツや軽食を楽しめる「Cafe椿」があり、
ここでは毎回、展示されている作品に因んだ和菓子を楽しむことができるんです。
今回の5種類も素敵。
実はどうしてもお抹茶セットで和菓子もゆっくり楽しみたくて
後日、改めてもう一度行ってしまいました😋
桜色の抹茶茶碗に美味しくたてられた抹茶。
そしてこの時は、狙っていた小林古径の《菖蒲》をモチーフにした「薫風」と名付けられた和菓子が完売!だったので、
いま気になっている画家、鈴木其一の《四季花鳥図》の右隻をモチーフにした「夏の日」をいただきました。
上品な甘さでとっても美味しい。
はしたないですが、何個でも食べられちゃいそう!なんて思ってしまうほどでした😆
そしてもちろん
音声ガイドも借りましたよ!
今回のナレーションは安井邦彦さん
山種美術館と日本画の雰囲気にぴったりで
素晴らしいナレーションでした。
音声ガイドもオススメです😍
そんなこんなで
山種美術館内覧会
約2時間半、あっという間でした。
山種美術館さん、内覧会関係者の皆様、素敵な時間をありがとうございました。
山種美術館の今回の企画展
「花✳︎Flower✳︎華-琳派から現代へ-」展は
2017年4月22日からスタートしており、
6月18日の日曜日までの予定です。
より詳しい展覧会情報については
山種美術館さんの公式サイトをご参照ください。
http://www.yamatane-museum.jp/
というわけで
アート鑑賞
2017年の34件目
4月の11件目
でした✨💕
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今回のお話を参考に、私も時間を見つけて、行ってみようと思います。