西加奈子さんご自身による装画が
本屋さんでも一際目立っていた小説
『i』(ポプラ社)
ニューヨークの夫婦のもとへ
養子としてやってきた主人公のアイ。
彼女が複雑な想いを抱えながら大人になっていく様子が描かれています。
血の繋がりとは何か。
選ばれる人、選ばれない人、そこには何の違いがあるのか。
たくさんのことを思い悩みながら
うまくやり過ごすことも出てきて
周りが喜ぶことを選んでいる自分、そんな自分が嫌になることがあったり
心の中でたくさんのことがモヤモヤしているアイ。
Yes!
No!
と白黒はっきりさせていく周りに、
じわっとしたストレスを感じながら子供時代を送るアイの気持ちが、わたしにはすごく共感できて、
ガサガサした周りの空気にのまれないように、でもどうしたらいいのかわからなくて、涙だけが流れてしまう彼女の気持ちと
いつの間にか一緒になって読み進めていた気がします。
結局、自分のことを認めるのは
誰なのか。
世の中の偉い人なのか。
親なのか。
親友なのか。
最後の最後
根底のところでは、自分にしか自分を認められないのかもしれません。
他人に決めてもらったり、認めてもらうことは
大変な反面、とても安易な部分もあり、無責任なところもあり、そして分かりやすい部分もあります。
分かりやすい。だからそれに頼りたくなる。
けれど自分が自分を認めていなければ
周りからの言葉はずっと空回りを続け
自分の中には何も生まれないのかもしれません。
自分を信じる、と書いて
自信。
自分の意思と意見を持っていくというのは
自分をいろんな側面から認めている
ということに深く繋がっているのかも。
そんなことを思いながら読み終えました。
というわけで
2017年の23冊目📖
2月の9冊目📚✨でした
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