修善寺を訪ねて

今日の東京は一日中冷たい雨が降っています。
明日は成人の日ですね。どうか雨が上がりますように。

私は先日、修善寺に行ってきました。
お正月過ぎでしたが、温泉街だけあって参拝や観光の方々で賑やかでした。この地の特色は温泉だけではなく、歴史と文学に深い関わりがあることだと思います。それゆえ、街には風情ある時代を感じさせる建物や寺院、どこか静けさの流れる落ち着いた雰囲気がありました。


北条政子が建てた「指月殿」のお釈迦様。
長い月日が経っても色褪せない輝きは静かなる強さを感じさせます。


静かな小道を入っていくと、「修善寺彫」の看板が。
ご主人は修善寺彫職人の鍵和田松丘さんです。
切りそろえられた良質な竹は修善寺で育った竹です。
この竹は松丘さんご自身が裏の山から採取し、栞の形や、大小さまざまな大きさに切りそろえられます。作品をつくるための土台になるため、すべて手作業で作られています。
その上になめらかに刃をすべらせ、修善寺彫りという技法で美しい文字を書き上げていきます。実際は彫っているのにもかかわらず、本の数秒で現れる端正な文字はまさしく筆ですらすらと描いているようでした。
松丘さんは私が名前入れをお願いすると、嬉しそうに文字のなりたちやへんとつくりのバランスのお話をして下さいました。
この修善寺の風土を愛し、いつわりのない技術へのこだわりと修善寺彫へ限りない情熱を注いでおられる松丘さん。そんな方をお目にかかれて、名前を彫っていただけてとてもとても有り難かったです。


お茶休憩。
このおもちが名物の黒米もちだそうで外は香ばしくて中は柔らかくてとっても美味しかったです。あずきもたっぷり。

続いて、訪れたのは「麦わら細工工房 晨(あした)」です。
看板を見つけたので訪ねてみました。
辻紀子さんはご主人を亡くしてからお一人でこの工房と麦わら細工の技術を守り続けていらっしゃいます。
紀子さんの手で編まれていく麦は、素朴なあたたかさとご主人への思いがつまっていて、ひとめずつ丁寧に編まれていく美しい編み目を見ていると、ご主人への思いが伝わってきて紀子さんに気持ちを重ねていました。
今から15年以上前からそのままにしてある帳簿や、ご主人の面影の品々は当時からときが止まっているかのような空間のなか、紀子さんの手で編まれていく麦わら細工は一目つづ交わっていき、確かなときを刻んでいました。
紀子さんがしおりの編み方を教えてくれました。その温かさはまるでお母さんのようで、伝統工芸というのは技術だけではなく、人のぬくもりをこの世に残してくれるものだと学びました。
この編み目は人と人の交点であり、時を結んでいくことだと感動しました。

辻紀子さんと。工房はご主人とお二人で作ったそうです。私が手に持っているのは今回作らせて頂いた麦わら細工の「しおり」と紀子さんの作品「かご」です。

世界でたったひとり、たったひとつの作品を生み出すということはとても尊いですし、私も演技のお仕事を生涯続けて、ずっと上を目指して職人さんのようにいつわりない仕事と限りない真心を込めて真摯に励んでいきたいと心から思いました。
人に出逢うって素晴らしい。そんな修善寺の旅でした。

コメント

各地で伝統を継承する人が居なくなり 絶えてしまう物が なんて状況が多いようだよね

岐阜県でも美濃和紙が有名だけど 材料となる コウゾの調達が困難になったりして コウゾの栽培を地元で行いようになったり 紙すきに使う 漉桁(すきけた)と言って 水の中で紙をすくう時に使う道具を作る人が減ってきたりしてるようだよ やはり大きな昔からの製法で作る和紙には 伝統的な道具が必要みたいでね


最近は 和菓子に合ったコーヒーも発売されてるけど 黒米もち 甘さなどは どうだったのかな?

なみへいオヤジ 2017年01月09日

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