クリスチャン・ボルタンスキー展

世界的アーティスト

クリスチャン・ボルタンスキーの個展を見て来ました。


場所は

大好きな
東京都庭園美術館


クリスチャン・ボルタンスキーは
作品の提示を通して
「物語を作り出す」といい、
「言い伝えは芸術よりも強い」と言います。


600個もの風鈴を自然の中に設置した作品、
《アニミタス》
これは映像作品なのですが
場所はチリのアタカマ砂漠で標高2000mを超える高地。
なかなか、多くの人が簡単に作品を観に行ける場所ではありません。
けれど、そこに作品があって、それが人々に知られていることが大切なのだとか。

作品はいつか消える、
風鈴も設置した時から時間が経って
一体現在いくつ残っているか、と言います。


言い伝えになり、
その場所から作品が物質的に消滅しても
人々の想いは消えない。

そこにクリスチャン・ボルタンスキーの作品の本質がある、そういう作家さんです。


今回の展示では
《アニミタス》
そして同じく風鈴が出てくる《ささやきの森》の作品展示スペースには
下に枯れ草が敷き詰められていました。

音、光、動く映像、静止画、立体物、
触れる感触で訴えるものなど
様々な現代アートがありますが

私自身、

香り

というアプローチを受け止めたのは初めてで、
強く印象に残りました。

香りがあることで、
より、作品の中に取り込まれるような感じがして、
それこそまさに、クリスチャン・ボルタンスキーが作品で意図するところの
来場者が作品に取り込まれること、その場は劇場でもあり、来場者は演劇の演者でもあるという、
鑑賞者が作品の一部になる仕組みの一つだったのかもしれません。


また
《影の劇場》は
操り人形の影絵を壁に投影した作品を
ドアに空けられた覗き窓から見るという作品。
ここでは、その窓から風が吹いてくるんです。
作品の方から、窓を抜けて自分の顔に風が常に吹き続けています。

風を肌で感じることで
ドア、そして覗き窓という明らかに中と外に分け隔てられているはずの場所が、
一気に、垣根がなくなるような、不思議な感覚になりましま。


香り。風。


目では見えないけれど
確実に存在するものからの
芸術的アプローチ。



存在とは
見えて、触れるものだけが全てではなく、

芸術もまたしかりなのだと

ハッとさせられる展示でした。



他にも素敵な作品があるのですが
《眼差し》のような割と閉鎖空間のような、仕切りや囲いの迷路の中を進むような作品は個人的に苦手だったのに、
今回はとても居心地がよかったのが不思議な体験でした。
布で細かく仕切られているし、その布には大きな目がプリントされているし、中央には大きな金の山があるしで
条件的に心地よさに繋がる要素はゼロなはずなんですが、

なんていうか、常に風通しがあって、存在があって、閉塞感がない感じがしたから、かな。


インスタレーション作品は
空間を五感をフル活用して
じっくり味わうものが多い気がします。

一人で行って、じっくりその空間に身を浸して
自分の心に何が沸き起こってくるのか
感じてみるのもいいかもしれないです。










美術館入り口のこの子が
今日はちと気になりました。
何度も行ってるんだけどね。










紅葉してきてて
綺麗です












#東京都庭園美術館
#目黒
#クリスチャン・ボルタンスキー
#現代アート
#インスタレーション

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