梨木香歩さんの小説『雪と珊瑚と』を読了。
小さな赤ん坊、雪をひとりで育てている珊瑚。
とほうにくれていた時に、一筋の光のように突如出会った、一人暮らしの老女くらら。
梨木香歩さんの作品は『西の魔女が死んだ』で初めて出会ったのですが
彼女が描く優しく穏やかなお婆さん像が
今回はくららにあって
やっぱりこの感じ、好きだなあと、しみじみ。
みんなそれぞれに悩みを抱えている。
それぞれに大なり小なり、しんどい過去の上に今がある。
達観するのでもなく
突き放して冷たく見るのでもなく
あらゆることを重ねてきた上での
強い穏やかさ
そんなくららのような人に憧れる。
もしも、自分の中の何かがザワザワして、トゲトゲしてきた時は
この本を読んでみたら、くららの醸し出す穏やかな空気に包まれて、少しは成りたい自分を思い出せそうな気がする。
相手を思いやる気持ちをもった人は、心に余裕があるようで、
本当に素敵ですよね。
でも、都会に住んでいると、なかなかそんな気持ちになることが
出来ない自分をちょっと残念に思ったりします。。。