『総理の夫』

原田マハさんの小説
『総理の夫』(実業之日本社)

を読了。

この物語は日本初の女性総理大臣となった相馬凛子との日々の出来事を
夫で鳥類学者の相馬日和が日記形式で書き記したもの。

何でもどんどん自分で決断していく凛子。
曲がったことが大嫌いで、いつも直球勝負。

一方の日和は、あれこれ考えこんでいるうちに言うタイミングを逃してしまい、おたおたするようなタイプ。

総理大臣になった凛子と、忙しさのあまり、顔を合わせられるのは朝の15分のみ、夫婦の会話もままならない日々が積み重なっていく。

忙しさの中で二人は
少しのすれ違いが
やがて大きな歪みになって
回復の方法も見つけられない事態になってしまったり。


最終的に、どちらがどうということではなく、
お互いがお互いに努力をして、
諦めるところは諦め、譲るところは譲り、
ちゃんと二人で話せる時間、一緒に過ごせる時間を1日の中に設けられるようにしていくのだけれど。

結局、家族って
甘えてしまうのかもしれない。
言わなくてもわかるだろう、とか
話す時間がなくても同じ家にいるからいっか、とか
疲れてるし、いいや、とか。

だから、家族である方が、より一層気を付けて、コミュニケーションをとろう、家族のための時間を意識的に確保しようって、しっかりそれぞれが努力しないといけないんだろうな。

いま本当はどう思ってる?
どんなことが大変?
なにが嬉しかった?

仕事のことも
毎日の生活のことも。

凛子の邪魔にならないようにと
気にするあまり、なにも言えなくなっていった日和。

日和がいつも居るのが普通になっていて、ケアしなくても良しとして、全部わかってくれてるでしょ、と思っていた凛子。

でも最後は
それじゃ全然ダメなんだよな
と気がついた二人。


忙しくても
努力次第。
たとえ刺客が次から次へと放たれ、裏で黒幕が始終暗躍しているのに警戒しながら奮闘する日本初女性総理大臣と総理の夫の家であっても。

原田さんの小説には
仕事命な、仕事に忙殺されている人物がよく出てくるのだけれど
物語の本筋の少し隣のあたりで
人生の歩き方、家族のあり方、それらを自分の力で選択する重要性についても描かれていることが多い気がした。

原田マハさん
大好きな作家さんのひとり。
今回も期待を裏切ることなく
面白かった!





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