夜の車窓


駅を何個も飛ばして通過する電車に
帰りに乗っていて

なんとなく

上野発のブルートレイン「あけぼの」を思い出した。


走っているエリアも違えば
時間帯も微妙に違うのだけれど
なんとなく、するりするりと夜の東京を抜け出ていく感じが、あの夜行列車を思い出させたのかもしれない。


祖父母の家までいくには、とっても便利で、
時間も有効活用できるし、
早めに予約できれば個室寝台もあるので
何度か利用していたなあ。

その「あけぼの」は今はもう無い。
好きだったし、現実問題としてとても重宝していたルートだっただけに、とても残念。



夜の車窓。
住宅街を抜けながら、家々の電気が、晩御飯の時間帯の家の中の密度を感じさせる。

外は静かな夜。

疲れた時に、夜行に飛び乗って秋田まで行った。
人生に困り果てた時、なけなしのお金で秋田まで行った。

きっとわたしは
これまでどこにも、拠り所がなかったんだと思う。
秋田に行っても何も解決しないし、帰る家は無いことも分かっていたけれど、それでも何かにすがるように、秋田に行って、また東京に戻ってきた。

ふるさとって、そういうものなのかも。


どこか安心できる場所に入って
全部に厳重に鍵をかけ
静かな部屋の真ん中で
小さくなって眠りたい、っていう感覚を
叶えられる場所が、どこかにある気がしていた。


今は新しい家が帰る場所になり、
家族が私の周りの厳重な壁となり鍵となり、
真ん中に仕舞ってくれる感覚があって居心地がいい。
内弁慶なウィルだって、いざとなれば、外と闘う、・・・うーん、ポーズはしてくれる。一応の番犬の任務として。「おねいちゃんを守らなくっちゃ!」と頑張れるところまでは、全力でやってくれている、ような、気がする。彼は彼なりに。


むかし、夜行列車の車窓を眺め、
何を探しているのかも曖昧なまま、
きっと行けば見つかるはずと思っていたものが、結局のところなんだったのか



8月の少し涼しくなってきた夜が
教えてくれたのかも。




コメント

まりさん、この投稿を見ていると私FBをやっていて堀内重人の投稿を思い出しました、寝台列車は復活すべきと言う投稿がありました、私もFBで寝台特急の意見を書きました、おおまかですがシングルとツインとシングルDXで構成で食堂車往年のオシ16型の現代版でビュフェメニューで夕食は2000円、朝食は1000円という内容です。

のぶちゃん 2015年08月28日

思索にふける秋、というところでしょうか。。。
いつも今を全力で生きている、まりさんだから、たまの心の休息も大切ですね!

まるみる 2015年08月28日

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